今月の旅指南

2010年7月2日

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辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

 瀬戸内海の7つの島(直島〔なおしま〕、豊島〔てしま〕、女木島〔めぎじま〕、男木島〔おぎじま〕、小豆島〔しょうどしま〕、犬島〔いぬじま〕、大島〔おおしま〕)と高松港周辺(香川県高松市)を舞台に、今年の夏から秋にかけて大規模な現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2010」が開かれる。

瀬戸内国際芸術祭では、船に乗って島のアートを訪ねるという 非日常が味わえるのも魅力だ

「作品を発表するのは、17の国と地域から参加する75組のアーティストとプロジェクト。クリスチャン・ボルタンスキーや李禹煥〔リ・ウファン〕、横尾忠則といった世界的なアーティストも加わり、最高の顔ぶれの芸術祭となります」

 と話すのは、実行委員会事務局長の工代〔くだい〕祐司さん。

 拠点となる男木交流館は、ジャウメ・プレンサの設計。貝殻のような不思議な形をした屋根をもつ建物が注目されている。豊島では、ボルタンスキーが世界各地で人々の心臓音を収集した「心臓音のアーカイブ」が話題だ。また、女木島では休校中の校舎をギャラリーとして利用。このほか、小豆島では300年の伝統をもつ農村歌舞伎が演じられるなど、島で育まれてきた固有の民俗を生かした芸術活動が展開される予定だ。

 「会場の広さも、作品数も、アーティストの顔ぶれもすべてが桁外れのスケールです。ただし、作品が7つの島に点在しているため、すべてを見ようとすると3~4日はかかります。あらかじめ見たい作品を絞り込んで来られたほうがいいでしょう」

 と工代さん。今回の芸術祭では“非日常”を味わってほしい、とも話す。岡山駅で新幹線を降りて、マリンライナーに乗り換え、瀬戸大橋を渡る。車窓に広がるのは、穏やかな瀬戸内の海と、小島の間を縫って行きかうポンポン船。やがて終着駅である高松駅に到着すると、そこが会場。隣接する港から船に乗って四方の島々に渡れば、おもしろいアートや島民の暮らしが待っている。都会から訪れると、カルチャーショックの連続だろう。

 「特に、夏の瀬戸内海は明るい陽光が降り注ぎ、地中海のような気候です。海の幸や果物などおいしいものもいっぱい。アートを道しるべに、瀬戸内海の島々を巡る旅を存分に楽しんでください」

 

 
 
 
 

瀬戸内国際芸術祭2010 アートと海を巡る百日間の冒険
〈開催日〉2010年7月19日~10月31日
〈会場〉香川県と岡山県・瀬戸内海の7つの島+高松港周辺(瀬戸大橋線高松駅から船)
〈問〉瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局 087(813)1290
http://setouchi-artfest.jp/

◆ 「ひととき」2010年7月号より

 

 


 

 


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