WEDGE REPORT

2017年7月7日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『銀盤の軌跡』(新潮社)などの著書もある。

 6月25日の良く晴れ上がった日曜日、マンハッタンで今年も恒例のゲイプライドパレードが開催された。

 

 毎年6月の最終日曜日に開催されるこのパレード、現在では「NYC Pride March」が正式名。LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クイア)プライドパレードとも呼ばれている。

 ニューヨーカーはパレードが大好きで、ハロウィーンや感謝祭のような派手なものばかりではないが、1年中毎月どこかで必ずパレードをやっている。その種類もさまざまだ。

 3月のアイルランド系のお祭りSt. Patrick’s Day Paradeや、6月のThe National Puerto Rican Day Paradeのように、移民の祖国の文化を祝うパレード。

 夏の終わりを次げる9月の始めのLabor’s Day Paradeや、退役軍人に捧げる11月のVeteran’s Day Paradeのように、国民の祝日に行われるイベントパレード。ブルックリンのコニーアイランドで行われる、夏の始まりを宣言するMermaid Parade(人魚の仮装をした人々が集まる)のようにユニークなものもある。

 とはいえこのゲイプライドパレードは、ニューヨーカーにとって別格の、特別なイベントと言える。

 そもそもこのパレードがはじまるきっかけとなったのが、1969年にニューヨークで起きた事件だったからだ。

自由な空気を求めてニューヨークに集まってきたゲイたち

 今のニューヨークにとってゲイカルチャーは、欠かせないコミュニティの一部である。LGBTQの人々はごく自然に社会にとけこみ、大都会のニューヨークで伸び伸びと生きている。だがここに至るまで、先人たちの長い戦いがあった。

 19世紀後半から、ニューヨークにはすでにゲイコミュニティができていたそうだ。

 だがアメリカでは、近代まで同性愛行為はfelony(重罪)だったことをご存知だろうか。俗に言う、ソドミー法である。(正確に言うなら、同性間だけではなく、生殖につながらない「不自然」な性行為を禁じる法律)

 保守的な田舎から自由な空気を求めてニューヨークに人々が集まってくるのは、昔も今も変わっていない。筆者も20代の頃に、ノースカロライナでしばらく通った高校の上級生にマンハッタンで偶然行き会い、彼女が実はレズビアンで故郷に居場所がなく、ニューヨークに移住したという告白を聞いたことがある。

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