障害者アスリート~越えてきた壁の数だけ強くなれた

2017年7月14日

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 「絶対にこのままでは終われない。4年後のパラリンピックの決勝戦で打ち負かしてやる」という思いが日ごとに強くなっていった。

 そのためには練習環境を整えることが必要であると、JOCの就職支援制度「アスナビ」によってセールスフォース・ドットコムに転職し、家族とともに北海道から東京へ移住。4年後の東京大会に向けて本格的なスタートを切った。

 「もしあの日、アンプティサッカーの練習に参加していなければ、テコンドーと出合うこともなかったし、東京に来ることも、短期間で日本代表になることもなかったでしょう。想像もしていませんでした。テコンドーに出合ってから、すっかり生活が変わり、人生が変わって、僕はその変化を楽しんでいます。妻にはちょっと申訳ない気もしているのですが、いまでは一番応援してくれています」

東京パラリンピックでの金メダル獲得を目指して

現在の練習環境は?

 「仕事は新卒の採用業務に就きながら、練習は都内の道場や大学、千葉県船橋市の道場などに出稽古という形で健常者の中に入って練習しています。練習内容に違いはありませんが、僕と組む時はパラテコンドーのルールでやってもらっています。

 通っている道場には日本代表の選手がいますので、とても勉強になりますし、鍛えられて強くなれると思っています。また、道場によって教え方が違いますし、様々なタイプの選手と練習ができるので、それぞれの良いところを積極的に吸収するようにしています。2020年の東京大会に向けてかなり良い練習環境にあると思っています」

 最後にテコンドーへの思いと今後の目標をお聞きした。

 「この競技の魅力は何と言っても多彩な足技です。そこを見てほしいと思っています。

 パラテコンドーは競技としても楽しいのですが、日本では未開拓なので、そのパイオニアとしてやらせてもらっていることが楽しいですし充実しています。

 2020年に向けてこの競技を選手としてだけではなく、趣味としてやる人がたくさん増えるように魅力を伝えていきたいと思っています。東京大会で僕が金メダルを取って、現在はパラ競技の中でもマイナー中のマイナー競技のテコンドーを花形競技にしたいと思っています」

 「今年の10月に世界選手権が開催されるのですが、その前に日本代表の選考会がありますので、まずは日本代表に選ばれることが目の前の目標です。今年はその世界選手権に照準を合わせています。

 ですが、見据えているのは3年後の2020年の東京パラリンピックですので、そこに向けて良い準備を積み重ねて、金メダルを獲得して、家族と喜び合いたいと思っています」

 パラテコンドーのパイオニアは終始快活な笑顔で弾けていた。

  
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