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2017年7月15日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 マスク氏自身は「技術的な側面よりも難しいのは規制をクリアすることだ」と語るなど、トンネルの実現とそれを使った交通網構築については自信を見せている。ただしトンネル網が実現したとしても、それをどのように運営するのか、料金は、といったビジネスモデルについては未だ発表されていない。ロサンゼルスのような地震の多い場所ではトンネルの耐震性など、様々な問題をクリアする必要もあり、今すぐに実現というわけにはいかないのが現状だ。

トンネル構想は非常に魅力的

 しかし特にロサンゼルス市にとって、トンネル構想は非常に魅力的だ。というのもロサンゼルス空港は年間の利用者が昨年実績で8000万人という非常に混雑した空港ながら、市街地にあるため拡張もできず付近の渋滞は住民に悲鳴をあげさせている。メトロという鉄道網もあるが、空港最寄り駅からはバス輸送であり、空港内の渋滞解消には役立っていない。以前から鉄道の空港乗り入れの計画はあるものの、遅々として進んでいない。もしトンネルができ空港に乗り入れられるようになれば、市としては願ったりの計画となる。

 こうした両者の思惑が合致し、技術的にも問題がない、となればトンネル構想は一気に加速する可能性がある。ロサンゼルスで成功すればシカゴを始め全米、いや世界中の都市が近距離ハイパーループの導入に向けて動き出す可能性もある。これまで実現不可能と言われた技術を次々にクリアしてきたマスク氏のアイデアが世界の交通事情を変えることになるかもしれない。

  
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