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2017年8月3日

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目が見えない人の数は、今後40年以内に世界中で3倍に増えるかもしれないという研究が、英医学誌ランセット・グローバル・ヘルスで発表された。

英アングリア・ラスキン大学の研究チームは、予算拡大で治療法を改善しない限り、目の見えない人の数は現在の3600万人から2050年までに1億1500万人へ増加すると予測している。

増加の背景にあるのは、高齢化だ。

目が見えない人や見えにくい人の割合は、南アジアやサハラ砂漠以南アフリカなどで特に高い。

一方で、今回の研究によると、世界人口における視覚障害者の割合はむしろ減っているという。

ただし世界の人口が増加し、相当な高齢まで生きる人数も増えているため、視覚障害者の数は今後数十年で急増すると研究者らは予測している。

研究チームが188カ国のデータを分析したところ、中程度から重度の視覚障害がある人は2億人以上いると推測され、この人数が2050年までに5億5000万人以上に増加する見通しという。

論文の筆頭著者で英アングリア・ラスキン大学教授のルーパート・ボーン氏は、「中程度の視覚障害でさえ、生活に相当な影響を及ぼしかねない」と指摘する。

「例えば、中程度の視力障害でも運転ができなくなるケースが多い。運転が禁止されれば、その人の自立性が損なわれてしまうことがある」

ボーン教授は、視力障害によって教育面や経済面での機会が限定されてしまうとも話す。

視覚障害が最も深刻な地域は南アジアと東アジアだ。サハラ砂漠以南のアフリカの一部も特に割合が大きい。

今回の調査は、白内障手術などの治療により多くの資金を投入することや、各自に合った視覚矯正メガネを誰もが確実に手に入れられるよう、呼びかけた。

「視力矯正による投資収益率はきわめて高い。発展途上地域でこれほど、実施しやすい対策はあまりない」とボーン教授は言う。

「安価で、インフラもあまり必要ない。視力矯正に国がかける費用は、国民が労働力として復帰することで、回収できる」

避けられる失明の撲滅を目指し30カ国以上で活動する慈善団体「サイトセイバーズ」は、水晶体が濁る白内障などの症状が増加していると指摘する。

「高齢化と慢性病の増加で、世界の最貧国において視覚障害の負担は増加する一方だと予測している」と、サイトセイバーズのイムラン・カーン氏は話した。

発展途上国の医療制度は改善の必要があり、持続的な眼科医療を提供するには、より多くの外科医と看護師を研修する必要があるとカーン氏は述べた。


目が見えない人の数

  • 南アジアで1170万人
  • 東アジアで620万人
  • 東南アジアで350万人
  • サハラ以南アフリカの一部で人口の4%以上
  • 西ヨーロッパで人口の0.5%以下

(英語記事 Global blindness set to 'triple by 2050'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/40810904

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