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2017年8月10日

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昨年夏までドナルド・トランプ米大統領の選挙対策委員長だったポール・マナフォート氏の自宅を、米連邦捜査局(FBI)が7月末に家宅捜索していたことが明らかになった。同氏の広報担当が9日、捜索があったことを認めた。

FBIは7月26日未明、バージニア州アレクサンドリアにあるマナフォート氏の自宅を家宅捜索し、書類など資料を押収したとみられる。マナフォート氏はこの前日には、トランプ陣営とロシア当局の結託について調べている上院情報委員会に任意で話をしていた。FBIも、トランプ陣営とロシア当局の結託について調べている。

米紙ワシントン・ポストによると、FBIの捜査を指揮するロバート・ムラー特別検察官は、マナフォート氏の自宅から「様々な記録」を入手した。ムラー氏はこれに先駆けて、ロシア疑惑について起訴するかどうかを決める大陪審を選出している。米国の事件捜査では、大陪審を通じて召喚状を発し、事件関係者に証拠提出や証言を強制する。

専門家筋によると、捜索令状を執行して証拠資料を押収したのは、大陪審が召喚するすべての証拠資料を確実に入手するためだったと考えられる。

米メディア報道によると、FBIは税金関連の書類や外国金融機関の取引記録を探していたという。

マナフォート氏は昨年8月、トランプ選対の委員長を辞任した。ロシアをはじめ、外国とのつながりが問題視されていた。

トランプ大統領はこれまで一貫してロシアとの結託を否定し、ムラー検察官の捜査を「魔女狩りだ」と非難している。

マナフォート氏の広報担当、ジェイソン・マローニ氏は、確かにFBIが「マナフォート氏の居宅の一つで、捜索令状を執行した」と認めた。「マナフォート氏はこれまでも、法執行機関のほか、他の重大な問合せにも一貫して協力してきた。今回も同様だ」。

ムラー特別検察官の事務所はコメントの要請に応じていない。

マナフォート氏はこれまでに、ロシア疑惑を調べる上院司法委員会と下院情報委員会にも、資料を提出している。その中には、2016年6月にトランプ・タワーでトランプ氏の長男とマナフォート氏らがロシア人弁護士と面会した際のメモ書きも含まれているという。

ドナルド・トランプ・ジュニア氏自身が公表したメールによると、大統領選の対立候補ヒラリー・クリントン氏にとって不利になる情報の提供があるという前提で、トランプ・ジュニア氏は面会に応じ、マナフォート氏にも同席を求めている。

複数報道によると、ムラー検察官は、長男とロシア人弁護士の面会についてトランプ氏が事前に知っていたのか、事後に報告されたのかを解明しようとしている。

さらにマナフォート氏のビジネス取引も、特別検察官の捜査の焦点になっているとみられている。

今年6月にマナフォート氏は、ロシア政府が支援するウクライナの政党のコンサルタントだったことについて、外国政府の代理人として遡及(そきゅう)的に司法省に登録した。

昨年8月には、ロシア政府の利権推進のためウクライナや米国で活動し、その報酬に数百万ドルを受け取っていたと指摘され、トランプ選対を辞任した。ウラジーミル・プーチン露大統領とつながりのあるロシア新興財閥の大富豪との取引も、問題視された。

米報道によると、ムラー検察官は、ロシア疑惑捜査を指揮していたジェイムズ・コーミー前FBI長官を解任したことで、大統領は司法を妨害したのかどうかも調べているとされる。

コーミー氏が5月初めに解任された後、司法省のロッド・ローゼンスタイン副長官が捜査継続の責任者としてムラー氏を特別検察官に任命した。

(英語記事 Paul Manafort: FBI raided home of former Trump chairman

提供元:http://www.bbc.com/japanese/40883706

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