メイドインニッポン漫遊録 「ひととき」より

2017年8月24日

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いであつし (いで・あつし)

コラムニスト

1961年、静岡県生まれ。コピーライター、「ポパイ」編集部を経て、コラムニストに。共著に『“ナウ”のトリセツ いであつし&綿谷画伯の勝手な流行事典 長い?短い?“イマどき”の賞味期限』(世界文化社)など。
 

 話し上手な奥様と違って寡黙な昌司さん。しかし縫製全体の統括と職人の育成を担当していて、ルフィの麦わら帽子の再現や極細麦わらの縫製技術を開発したのも彼である。その実力は世界でもトップクラスなのだ。

 帽子作りには大きく、麦稈真田(ばっかんさなだ)という麦わらで編んだ真田紐を縫い上げるブレード系と、帽体という型を使ってプレス機で成型するシート系帽体というやり方があり、パナマハットなどは後者のやり方で製作する。

 ちょうど昌司さんがブレード系でストローハットを縫っていたので見学させてもらう。

 年季の入った専用のミシンを使って、まず真田紐の先を曲げて頭頂部になるへそを作る。へそを中心に渦巻きが外へ広がるように縫っていくとだんだん小さな円盤状になっていく。これを手で持ち上げながらさらに縫っていくと、あっという間に帽子の形になってしまう。

(写真左)頭頂部にあたる〝へそ〟を作り真田紐をみるみるうちに縫いあげていくブレード系という作り方
(写真右)真田紐(麦稈真田〈ばっかんさなだ〉) 

 「簡単ですよ」と言いますが、いえいえ、とんでもない。石田四兄弟妹の三男坊の昌司さんは子どもの頃から模型を作るのが得意で、麦わら帽子の作り方も工場で職人さんたちを見ていて、自然と覚えてしまったのだとか。

 ところで、笠岡市は生きている化石と呼ばれるカブトガニの繁殖地としても有名である。市内にはカブトガニ博物館もあり、恐竜の生態模型があって人気の公園は、今年の夏もおしゃれにパナマハットを被った子供連れのママたちで大賑わいでありました。

(写真上左・右、左下)人工飼育の研究もするカブトガニ博物館。建物は上から見るとカブトガニの形なのだとか。館内や隣接の公園には、来館者に少しでも興味をもってもらおうとカブトガニと同時代を生きていた〝恐竜〟たちを展示している。
☎0865(67)2477 笠岡市横島1946-2
HP◉https://www.city.kasaokaokayama.jp/site/kabutogani/
(写真右下)チャーシューが鶏肉の笠岡ラーメン。ほっとする味です。らーめん司にて ☎0865(63)5744 笠岡市笠岡5058-15 11時~20時 定休日:水曜

(写真・阿部吉泰)

●株式会社 石田製帽
<所在地>岡山県笠岡市小平井682
<URL>http://www.ishidaseibou.com/

  
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◆「ひととき」2017年8月号より

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