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世界の記述

2009年2月27日

 ロンドンの一等地で、推定1500万ポンド(約18億5000万円)の住居2件を、約20人の若者が占拠していることが分かった。2件はハイドパークを一望できる7階建てで計12部屋あり、歌手のマドンナの自宅も近い。ここ2年間は空室だったという。

 イングランドとウェールズでは驚くことに、建造物を傷つけない限り、空き住宅の占拠は罪に問われず、所有者は法的手段で退居させる以外に道はない。12年間住み続けると定住者の物になる。このため空き家にする場合、トイレや水道管をわざとはずす所有者も多い。

 第二次世界大戦後、帰還兵やその家族が空き住宅を占拠したことがあった。1960年代にもホームレス支援のために空き住宅を使わせる社会運動が起きている。現在もホームレス、芸術家らの「空室住まい」を支援する団体すらある。

 こうした家屋は推定約1万5000件。一等地の占拠は珍しいが、失業率が高まる中、今後も増えると予測されている。

◆「WEDGE」2009年3月号より

 


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