BBC News

2017年8月28日

»著者プロフィール

米南部テキサス州で27日、熱帯低気圧「ハービー」がもたらした大雨で大規模な洪水が発生し、最大2000人が救助された。

国立気象局(NWS)は、大型ハリケーンから熱帯低気圧に変わったハービーによる被災状況は「前例がない」と述べた。

NWSによると、ヒューストン都市圏で鉄砲水の危険が生じており、交通はほぼ遮断された状態にある。会議場を含め多数の避難所が開設されている。

ヒューストン市があるハリス郡のダリル・コールマン保安官は、水没車両で死者が出ているとの情報があり、捜査を続けていると語った。

テキサス州のグレッグ・アボット知事は、州内で約250の一般道路・高速道路が閉鎖されており、19の郡で災害宣言を出す許可をドナルド・トランプ米大統領から得たと語った。

同知事は、「ヒューストン、ビクトリア、コーパスクリスティなど3方で降り続ける雨への対応を迫られている」とし、「今後も信じがたいほどの大雨が続く」と述べた。

NWSは一時、被災地域で5人の死者が出たとの情報を明らかにしていたが、その後、ヒューストンで1人の死亡が確認された。

ハービー上陸後、これまでに2人の死亡が確認されている。

  • テキサス州ロックポートを中心に広がるアランサス郡で24日夜に発生した火事で1人が死亡。
  • 25日に洪水の中を車を運転していた女性が死亡。

ヒューストン市のシルベスター・ターナー市長は住民に対し、命の危険があり救助を必要とする場合にのみ緊急電話を使うよう促した。さらに市長は、「移動しないように。嵐が終わったとは考えるべきでない」と語った。

ハリス郡の当局者らは、ボートを所有している住民に救助の支援を求めた。

ヒューストンのジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港は商業フライトの停止を発表。ウィリアム・P・ホビー空港も滑走路が完全に冠水しており、閉鎖された。

ホワイトハウスはトランプ大統領が29日にテキサス州を訪問し、災害状況を視察すると発表した。トランプ大統領はこれに先立ち、「混乱を引き起こさないこと」が可能であれば、できるだけ早く訪問したいとの考えを示していた。

NWSによると、ヒューストンの今月の降雨量は、現地時間の27日午後2時(日本時間28日午前4時)時点で648ミリと、過去最高に達した。

NWSは、今後も同市の洪水被害は拡大する見通しで、「(テキサス州)南東部のほかの大雨のあった地域で大きな洪水が発生する可能性」があり、被害は「記録的なものになるかもしれない」と指摘した。

NWSは、メキシコ湾沿岸のガルベストン島も27日にかけてヒューストンと同様、「壮絶な壊滅的洪水」に見舞われたと付け加えた。

ガルベストン郡ディッキンソンにある高齢者施設で、腰まで水につかった状態で救助を待つ女性たちの写真がソーシャルメディアで拡散された。施設の入居者たちはその後、ヘリコプターによって避難した。

強風が救助活動を遅らせており、何千もの人々が停電の影響を受けている。ヒューストンの沿岸警備隊は救助要請が相次ぐなかヘリコプターの増派を求めた。

アボット知事は先に、今週中ごろに嵐が弱まるまでに雨の量は、さらに約1000ミリに達する可能性があると述べていた。

ヒューストンは全米第4の都市で、都市圏の人口は660万人。

大手石油会社エクソン・モービルは、テキサス州ベイタウンにある米国で2番目に大きい石油精製所の稼働を停止すると発表した。同州のメキシコ湾沿岸は米国の石油・ガス産業の中心地となっている。

ハービーは25日夜に、5段階中2番目に強い「カテゴリー4」のハリケーンとしては13年ぶりに米国に上陸したが、その後、26日に熱帯低気圧に弱まった。今後は30日にかけてテキサス州南東部を蛇行しつつ通過すると予想されている。

ハービーは、米国に上陸したハリケーンとしては2004年8月の「チャーリー」上陸以降で最強で、テキサス州では1961年の「カーラ」以来となる。ヒューストン・クロニクルによると、カーラ上陸では34人が死亡した。

(英語記事 Storm Harvey: Up to 2,000 rescued as Houston hit by 'catastrophic floods'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41070464

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る