BBC News

2017年9月1日

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米南東部テキサス州などで、先月25日の上陸後にハリケーンから低気圧に変わった「ハービー」がもたらした大雨による洪水被害が続くなか、トランプ政権は議会に対し緊急の予算措置を求めることになった。

テキサス州を訪れたマイク・ペンス副大統領は、「米国民はあなた方と共にある」と述べ、「この市と州、この地方がいままでより大きく、より良く再建されるまで、私たちは毎日ここにいる」と語った。

AP通信によると、ドナルド・トランプ大統領は当初の支援額として59億ドル(約6500億円)の支出を求めるとみられている。

テキサス州のグレッグ・アボット知事は先に、連邦政府から1250億ドル以上の支援が必要になるかもしれないと述べていた。

嵐と洪水で少なくとも33人が死亡している。

トランプ氏が寄付

ペンス副大統領は31万1000人が災害支援の登録を済ましたと明らかにし、議会への予算措置の要請に超党派の支持が集まることへの期待を表明した。

連邦政府による復興予算がどのくらい早く被災者の元に届くのかは、依然不明だ。

被災地の町、ロックポートを訪れたペンス副大統領はテキサス州民に敬意を表し、「きょう私たちが見た光景、聞いた音、人々との会話にはただ圧倒された。テキサスの人々の立ち直る力に勇気づけられた。米国史上最大の自然災害の一つの恐怖を経験した人々が、肩を並べ、隣人に食べ物を分け与え、隣人が家を片付けるのを笑顔で手助けするのを見て……私は謙虚な気持ちになり、深く勇気づけられた」と語った。

ホワイトハウスはさらに、トランプ大統領が個人的に100万ドルを復旧活動に寄付すると発表した。

トランプ大統領夫妻は29日にハービーが最初に上陸したテキサス州コープス・クリスティを訪問。夫妻は今月2日に再びテキサス州を訪れる予定。

洪水が引くなか、支援活動は救助から長期的な復興に焦点が移っている。しかし住民たちは、安全が確認できるまで自宅には戻らないよう警告を受けた。

ホワイトハウス幹部は先に、約10万戸がハービーの被害を受けたと述べた。全ての家屋が災害保険で完全にカバーされているわけではない。

ロイター通信は、国土安全保障省のイレイン・デューク長官代理の話として、テキサス州で約77万9000人が避難命令を受けたほか、98万人が自主的に避難したとみられると伝えた。

連邦緊急事態管理局(FEMA)によると、FEMAの救助隊によって3800人以上が救助され、9万人以上がすでに被災者の認定を受けた。

FEMAはまた、市民たちが詐欺の標的にされていると警告した。検査官や移民当局者のふりをする事例が複数報告されている。

すぐに保険料を支払えば洪水保険が下りると、住民に電話をかけてくる詐欺も起きている。

家屋を捜索

テキサス州南部に拠点を置くエネルギー企業が石油精製所の操業停止やパイプラインの遮断に追い込まれており、米国のガソリン価格は上昇。多くの企業は操業を再開させているが、通常に戻るまでには何週間もかかる可能性がある。

自宅に戻った住民も困難に直面している。

消防隊は一戸一戸を訪れ、生存者や遺体の確認を進めているが、作業は最大2週間かかる見通し。

環境保護局(EPA)は、あふれた下水から細菌や汚染物質が洪水した水に流れ込んでいる可能性がある警告を出し、市民の健康への最大の脅威は安全な水が手に入らないことだと指摘した。

被災地の多くの住居では停電が続いている。

ヒューストン市の東にあるボーモント市の病院では、水の供給が止まったため31日に避難を余儀なくされた。集中治療室の患者たちの移送には、軍のヘリコプター「ブラックホーク」が使われた。

ヒューストンに近いクロスビー市の化学工場では、31日に火災が発生。火災は今後も起きると予想されている。

アルケマ社が所有する同工場の冷蔵設備が被災しており、貯蔵された化学物資に火が付きやすくなっている。

ハービーは今後3日間、ルイジアナ、ケンタッキー州に大雨をもたらすとみられ、テキサス州南東部とルイジアナ州南西部には洪水警報が依然として出ている。

(英語記事 Houston floods: White House seeks disaster aid from Congress

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41120218

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