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2017年9月4日

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北朝鮮が水爆実験だと主張する大きな揺れの数時間前、国営朝鮮中央通信(KCNA)は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が核弾頭の開発現場を視察した際のものだという写真を公表した。防衛専門家のメリッサ・ハナム氏に写真から読み取れることについて解説してもらった。


今回の核実験は、北朝鮮がこれまでに実施した中で最も大規模で成功したものとみられる。米地質調査所(USGS)は人工地震の規模をマグニチュード6.3と推計しており、過去に例がない大きさだった。

これと同じ日、数時間前に、金正恩委員長が水爆の核弾頭の開発現場を視察する様子だという写真を、KCNAが公表したのは偶然ではないだろう。

写真の装置が地下トンネルの中で爆発したものと同一かどうかは、確認のしようがない。模型の可能性さえある。しかし何を伝えようとしているのかは明白だ。本物の核弾頭がどういう外見か、我々は知っているぞと証明したいのだ。

金正恩委員長は写真の中で、非常に危険だと言われてもおかしくないほど核弾頭の近くに立っている。しかし、これが単に核弾頭の模型という可能性も十分ある。しかしながら、この写真に暗に込められた内容はすさまじいものだ。昨年3月には、金委員長は発射されるミサイルのすぐ近くに立っていた。ミサイル固形燃料の横でたばこを吸う姿の写真さえあった。金氏は、異様な危険を冒すことをいとわないという意味だ。

模型だったとしても、形や大きさ、どのくらい詳細に見せたかという点、非常に本物らしいと思えるだけの内容がそろっていた。

過去に米国やロシアが公表した弾頭の写真は通常、単なる模型だった。この写真で北朝鮮は相当詳しい内容を見せている。

球根のようなピーナッツ型の物体は、従来見ることができたものより桁違いに詳細にできている。弾頭そのものだ。

複数のワイヤが突き出た銀色の筒に近い、より大きな部分は核分裂を起こす装置だろう。小さい方は、核融合を起こす部分だ。核分裂装置が爆発すると、核融合装置が起爆する。

後ろにある筒は点火装置で、爆発を始める電気系統、動力の部分だ。

北朝鮮は核弾頭を、ミサイルの横にある状態で見せびらかしている。一部の写真には、先端が黄色と黒に塗られた背の高い円すい形の物体が写っていた。これは、今年7月に発射実験した大陸間弾道ミサイル「火星14」の先端部分だ。北朝鮮は7月の発射実験で、兵器開発でいかに大進歩を遂げたかを誇示したのだ。

写真の背景には、装置がどのように作動するのか説明する表さえ写っていた。朝鮮語で書かれた表は、装置が円すい形の中に入るようになっていると説明しているようだ。

北朝鮮が必要以上の詳細を見せているのは、これが国外向けの政治的宣伝だからだ。

(英語記事 Kim inspects 'nuclear warhead': A picture decoded

提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41144439

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