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2017年9月5日

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ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャが衝突を逃れようと隣国バングラデシュに多数逃れている問題で、国連は4日、難民の数が一気に急増し、3日から4日にかけて新たに3万5000人がバングラデシュに入ったと明らかにした。

ロヒンギャが多く暮らす西部ラカイン州から、8月25日以降だけでも12万3000人以上がバングラデシュに逃れたという。

仏教徒が大多数を占めるミャンマーではイスラム教徒の少数派ロヒンギャはかねてから差別と迫害の対象で、昨年秋にも警察や治安部隊、ラカイン州の仏教僧がロヒンギャを追い出そうと村に火をつけ、住民を襲撃したとされる事件が相次いだ。ミャンマーの治安部隊は逆に、市民を攻撃するロヒンギャの武装勢力に対抗しているのだと説明する。

今年8月からの衝突は、ロヒンギャ武装勢力が25日に約30カ所の警察施設を襲撃したことをきっかけに始まった。これを受けて治安部隊が100人以上のロヒンギャを殺害したとされるほか、人権団体ヒューマンライツ・ウォッチは、ロヒンギャの村1カ所で700棟以上の家が焼かれた様子を示すという映像を公表。多くの住民が弾圧を逃れ、北に国境を接するバングラデシュまで徒歩で逃れようとした。

ミャンマーの人権問題を担当するヤンヒ・リー国連特別報告者は4日、ラカイン州の状況は「本当に深刻」で、ミャンマーの「事実上の指導者」アウンサンスーチー国家顧問兼外相が「対応に乗り出す必要がある」と述べた。

リー氏は、破壊のレベルは昨年10月の衝突よりも「はるかに大きい」と指摘し、「どんな政府も管轄内にいる全員を守るべきで、我々はどのような政府にも同じように期待する」と、アウンサンスーチー氏に解決のための努力を求めた。

かねてからロヒンギャ保護に消極的とされ、今回の危機にも発言していないアウンサンスーチー氏に対しては、同じノーベル平和賞受賞者でパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんも3日、アウンサンスーチー氏の発言を「世界とロヒンギャ・ムスリムが待っている」と批判した。

国連難民高等弁務官事務所によると、国境沿いのバングラデシュ側に設けられた2カ所の難民キャンプはすでに満員状態で、トタン板やビニールシートなどで臨時のシェルターも設置したものの、それもすでにいっぱいになっている。水や食用、医薬品を必要とする難民の数が、劇的に急増しているという。

8月末にはバングラデシュの沿岸警備隊が、「入り江用の粗末な釣り船」でラカインを逃れようとして遭難したとされるロヒンギャ20人の遺体を発見した。

(英語記事 Myanmar conflict: Rohingya refugee surge hits Bangladesh

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41159253

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