使えない上司・使えない部下

2017年9月21日

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「来る者拒まず、去る者追わず」

竹下光彦さん

 私は、資金繰りで苦しんでいた当時も今も、身の不幸を嘆くことはありません。自分の人生を切り開くことに生きがいを感じるのです。中学生の頃、家庭は生活保護を受けていました。父はアルコール中毒で死亡し、母は病気で働くことができない。私は生活費や学費を稼ぎながら、大学を卒業したのです。あの頃、苦しいとは思わなかった。むしろ、生きがいを感じていました。

 誰かがしいたレールの上を歩くなんて、私にはできない。自分でレールをしいていくのは孤独な作業ですが、誰からも干渉されない自由をつかむことができる。孤独と自由、生きがいは表裏一体なのです。

 私は、同世代の60~70代の、「孫の成長が楽しみ」「趣味が旅行」と言っている人とは違います。本来、60~70代はゴールデンエイジです。ところが、彼らは老け込んで、座して死を待つような生き方をしている。私は聞いてみたい。あなたは、誰の人生を生きているの? と。

 彼らは、人がしいたレールの上を走ることを長年にわたりしてきた。おそらく、自分で切り開くことをしてこなかったのでしょう。定年を迎えた後、どうしていくべきかがわからない。まさに、社畜的な生き方の行き着く先です。私には不幸な生き方に見えますが、本人たちは満足しているのでしょうね。

 私の同世代で、現役で働いている弁護士や医師、経営者などは仕事に生きがいを感じています。本来は、こういう人がもっと増えてくるべきなのだと思います。会社の経営は一度してみると、もうやめられないですよ。苦しみもありますが、自分で切り開くことができる喜びは何物にも代えがたい。

 「社員が使えない」と愚痴をこぼす人がいるならば、まずは、自分に問いかけなさいよ。自分がどれほどに優秀であるのか、と。人の上に立つ器であるのか。それにふさわしい人間力があるのか、と。つまりは、あなた自身の問題なのです。

 「来る者拒まず、去る者追わず」ぐらいの寛大な心をもっていないならば、管理職や役員、社長にはなるべきではないと私は思います。自分の同レベルの人しか、目の前には現れないものなのです。

  
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