中国人観光客はいま

2017年10月2日

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中島恵 (なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年山梨県生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか?』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』『中国人エリートは日本をめざす』(ともに中央公論新社)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日本経済新聞出版社)などがある。

9月に上海で開催された読者会の様子。福島県から神楽などを招いて行われた。

――本当に皆さん、日本に詳しいのですね。すべて自主企画なのですか?

袁氏:いろいろな形態がありますが、日本の地方自治体や日系企業とタイアップの企画もあります。この国慶節期間中は、熊本市のご協力を得て、KOL(中国人のkey opinion leader、いわゆるインフルエンサー)の方、そしてウィーチャットで募集した読者の方による少人数の2泊3日の読者会を行う予定です。

 熊本城周辺に約5万個ものろうそくを灯す祭典「みずあかり」を見たり、JR九州で人気の豪華な観光列車「A列車で行こう」に乗ったり、天草では日本で初めてスイーツが楽しめるクルーズ船「エルミラ」に乗船するという盛りだくさんな内容。参加者は現地集合、現地解散です。

 熊本といえば中国でも「くまモン」が有名ですが、熊本の魅力はもちろんそれだけではないですよね。感度の高い読者の方に参加していただき、地方の特色を情報発信してもらうことで、中国人の読者に熊本の多面的な魅力が伝わりますし、地方自治体にとっても、中国人観光客が今、どのようなものを求めているのか、中国人の生の体験を通して、マーケティングの材料にしていただけると思います。私たちが間に入り、中国人と日本の地方自治体や企業とのブリッジ(橋渡し)役になれれば、と思っています。

――私たち日本人さえもあまりよく知らない日本各地の観光情報が、読者の方の目を通じて中国に続々と発信されているのですね。

袁氏:今の中国では、ウィーチャットを通して、本当にありとあらゆる情報が発信されています。中には日本人の方にさえ、あまり知られていない情報もあります。旅行好きな方々は「自分はこんなすごいところにも行ってきた!」と誰かに伝えたいですし、「この器にはこういう歴史があり、こういう人がこんなふうに伝統を守ってきて……」など、自分が学んだことを披露したい、発表したいという気持ちが強いと思います。それが大きな発信力となって、中国人の旅行がどんどん進化する原動力になっていると思いますね。

――今後はどのようなことに取り組んでいく予定でしょうか?

袁氏:弊社はメディアですが、これからは紙からデジタルにますます移っていくことは避けられない流れだと思います。しかし、スマホによるオンラインの情報が増えれば増えるほど、誰かと会って話をすることの重要性を感じるようになり、最近では上海でもオフラインのイベントが増える傾向があります。私たちも定期的にオフラインのイベントを開催していく予定です。また、ウィーチャットでの公式アカウントは数が多く、昨今ではなかなか読んでもらいにくくなってきています。ここも、もっと読んでいただけるように、工夫を凝らしていき、読者の方々により魅力的な情報を発信していきたいと思っています。

  
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