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2017年9月27日

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北朝鮮で約1年半にわたって拘束され死亡した米国人学生のオットー・ワームビアさんの両親は26日、ワームビアさんが北朝鮮によって「組織的に拷問された」とテレビ番組で語った。一方で、地元紙が伝える検死官の報告では、拷問のあとは認められなかったという。

ワームビアさんの死後初めてメディア取材に応じた父親フレッドさんと妻のシンディーさんは、フォックス・ニュースの情報番組「フォックス・アンド・フレンズ」で、北朝鮮を「テロリスト」と批判し、「オットーの状態について真実を語る時が来たと感じた」と述べた。

ワームビアさんは2016年に北朝鮮を旅行中、ホテルにあった政治宣伝ポスターを盗もうとしたとして拘束された。今年6月に健康状態の悪化を理由に解放されたが、米国に帰国した際には意識不明の状態で、数日後に死亡した。

北朝鮮は、ワームビアさんがボツリヌス菌に感染したと説明し、虐待を否定したが、米国の医師らは感染した形跡はなかったと述べた。

事故ではない

ワームビアさんの両親は、米国の医師らがワームビアさんが昏睡状態だと表現していたのは「公正ではない」と語った。

<トランプ大統領はワームビアさんの両親がフォックス番組で語った内容について「素晴らしいインタビュー」だったとツイート。「オットーは北朝鮮で信じられないような拷問を受けた」と書いた

父親のフレッドさんは、ワームビアさんが「体を動かし、激しく痙攣(けいれん)していて、うなり声を上げ、人間でないような音を出していた」と述べた。

ワームビアさんの髪の毛はそってあり、目が見えず、耳が聞こえない状態で、腕と脚は「完全に変形していた」といい、足には大きな傷があったという。フレッドさんは、「誰かがペンチを使って彼の下の歯並びを変えたようだった」と語った。

フレッドさんは、「オットーは組織的に拷問され、金(正恩・朝鮮労働党委員長)とその体制に意図的に危害を加えられた。これは事故じゃない」と話した。

シンディーさんは、北朝鮮がワームビアさんの送還を許したのは、「自分たちの国で死なせたくなかった」からだと述べた。

ワームビアさんの遺族は遺体の検死を拒否している。もう十分苦しんだと家族が考えたからだとシンディ―さんは述べ、「私は彼から目を離さないと決めていた」と語った。

シンディーさんは、米国人は北朝鮮に旅行しないでほしいと訴え、訪問すれば政治的宣伝に使おうとする北朝鮮の思うつぼだと述べた。米政府は現在、北朝鮮への渡航を禁止している。

「素晴らしいインタビュー」

しかし、ワームビアさんの地元オハイオ州の新聞シンシナティ・エンクワイヤラーはハミルトン郡の検死官による死体検案書を入手したとし、ワームビアさんの体を外から調べた際には小さな傷が数カ所あったが、拷問を示唆するようなものではないと書かれていたと報じた。

同紙によると、ハミルトン郡の検死官はワームビアさんの歯について「異常はなく、よく手入れされていた」と述べ、死因は酸素不足による脳の損傷のようだと語った。

「フォックス・アンド・フレンズ」を好んで視聴することで知られるドナルド・トランプ米大統領はツイッターで、「素晴らしいインタビュー」だったとコメントし、「オットーは北朝鮮で信じられないような拷問を受けた」と書いた。

米国と北朝鮮の間では、お互いを非難し脅す言葉の応酬が前例のないペースで繰り返されており、緊張が高まっている。トランプ大統領の今回のコメントも緊張を高める一因になる可能性が高い。

トランプ大統領と金委員長はお互いを核兵器によって破滅させると脅しているが、国際社会は双方に攻撃的な言葉を控えるよう訴えている。

(英語記事 Otto Warmbier 'systematically tortured' by N Korea say parents

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41410847

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