BBC News

2017年10月5日

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レックス・ティラーソン米国務長官は4日、予定にない異例の記者会見を急きょ開き、辞任するつもりはないと、報道を否定した。同日付の米NBCニュースは、ティラーソン氏が夏の間、ドナルド・トランプ大統領と対立を重ねて「間抜け(moron)」と呼んだこともあり、副大統領が慰留していたと伝えていた。

国務省で記者会見したティラーソン長官は、「辞めようなど思ったことがないので、副大統領が私を慰留する必要などなかった」と、NBC報道を「誤報」と呼んだ。自分が必要とされる限り、政権に留まるつもりだと強調した。

NBCは、ティラーソン長官が7月にトランプ大統領を「間抜け」と呼んだほか、大統領がボーイスカウトの集会で党派制の高い演説をしたことに激怒し、辞任するつもりだったのを、ペンス副大統領がなだめたと伝えていた。

NBCよると、7月にアフガニスタン戦略をめぐる会議で、トランプ氏がアフガン駐留米軍の最高司令官解任をほのめかし、司令官による部隊展開の判断は、ニューヨークの高級レストランを改装するようなものだと述べたため、安全保障担当幹部たちが反発。このやりとりについて、ティラーソン氏は大統領を「間抜け」と呼んだという。

本当に大統領を「間抜け」と呼んだのかと記者に問われると、ティラーソン長官は「そんなつまらないことの相手をするつもりもない」と答え、具体的に否定はしなかった。

その上で長官は、「私はワシントンに来てまだ間もないが、トランプ大統領の政策目標を損なうことを目的に、他人の関係を引き裂き、対立を植え付け、自分たちの目的を推進しようとする者たちがいるのだと分かった。私はそのような真似はしないし、今後もそのような動き方はしない」と述べた。

ティラーソン長官が会見する直前、トランプ大統領はツイッターで「NBCニュースは#フェイクニュースで、CNNよりもずっと嘘だらけだ。優れた報道の名を汚す連中だ。道理でNBCのニュース視聴率はぐんと落ちてるわけだ!」とNBCニュースを批判した。

乱射事件の被害者などを慰問するため訪れたラスベガスでも、トランプ氏は「まったくでたらめな話だ(中略)NBCのでっちあげだ」と批判。「レックスのことは全面的に信頼している」と述べた。

ティラーソン長官は自分自身ではっきりと「間抜け」発言を否定しなかったが、国務省のヘザー・ナウアート報道官は後に、そのような発言はなかったと言明した。

「長官は、合衆国大統領についてそのような表現を使っていない。長官は誰についても、そのような表現を使わない」と報道官は述べた。さらに、長官は「タフでしぶとい人」なので、辞任させたい人たちは「これからも圧力をかけ続けてみるといい。そうすればするほど、長官の決意は強固に固まっていく」と話した。

マイク・ペンス副大統領も、国務長官の辞任をめぐるやりとりは一切ないと声明を発表した。

一方でCNNは、自分たちも独自に「間抜け」発言を確認したと伝えた。CNNのホワイトハウス担当記者は、「ティラーソン氏が夏の間に自分を『間抜け』と呼んだことを(大統領は)承知している」とツイートした。

しかしこの後にトランプ氏は、同じくツイッターで、NBCニュースの記事は「完全に否定された」と強調。NBCは「米国に謝罪すべきだ」と書いた。

トランプ氏とティラーソン氏の関係では、8月のシャーロッツビル衝突についてトランプ氏が双方に責任があると発言し非難された際、国務長官は報道番組で「大統領は自分の意見を話している」と発言し、注目された。

また北朝鮮危機をめぐっては、ティラーソン氏が北朝鮮との対話を模索していると発言した直後に、トランプ氏が交渉は「時間の無駄だ」とツイート。「レックス、労力を無駄にしないで。やらなくてはならないことをやるから!」と大統領がツイートしたことは、ティラーソン氏の国務長官としての立場を損なうものだと取り沙汰されていた。

国務長官は大統領の権限継承順位において、副大統領、下院議長、上院仮議長に次いで4位。

(英語記事 Tillerson denies resignation rumours, but not 'moron' remark

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41507978

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