WEDGE REPORT

2017年10月16日

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「古臭さ」を「趣き」や「味わい」に

 戦前から続く写真館や廃屋になった映画館など、町のなかのロケ地を案内してもらいながら気付いたことがある。

もともとは足利氏の館だった鑁阿寺の山門と太鼓橋。日本100名城のひとつ
国宝に指定されている鑁阿寺の本堂
映画『八日目の蝉』のロケ地となった「松村写真館」のレトロな建物

 戦争による空襲被害がほとんどなかったため、足利には古くからの町並みが残されている。多くの若者にとってそれらは時として「古臭い」ものに見え、だからこそ「目新しさ」を求めて東京に出てしまうのだろう。

 しかし、「映画」というフィルターを通すことによって「古臭い」が、「趣き」や「味わい」といった別の感覚に変わっていく。だからこそ、町の中にある古いものを大切にしようという思いを持つようになり、町の価値を再発見することにつながる。足利出身の辺見課長にはそれが最も嬉しいことなのではないか……。

 取材を終え、特急電車の窓から東京スカイツリーが見えたとき、やっぱりそうに違いないと思った。

  
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