赤坂英一の野球丸

2017年10月11日

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「3年はやってくれないと困る」

 緒方孝市監督には、監督就任1年目の2015年、「3年はやってくれないと困る」と伝えられていたという。その15年こそ4位に終わったものの、石井コーチは昨年、今年と37年ぶりの2連覇に貢献。打撃コーチに就任した昨年からは、チーム打率、本塁打、打点と2年連続でリーグトップの数字を記録するほどの強力打線を作り上げた。チームと選手への愛着は依然として深いが、緒方政権3年目のシーズンを終え、「監督との約束は果たした」という思いもあったようだ。

 ちなみに、河田コーチの管轄である盗塁も2年連続リーグトップで、リーグ唯一の100個台をマークしている。彼も西武から広島に復帰した15年の秋季キャンプ中、すでに「とりあえず2年間、やれるだけやりますよ。そこから先のことはまたそのとき考えたい」と話していた。もともとは1985年ドラフト3位で帝京から広島入りしたカープOBだが、東京出身で都内の自宅に家族を残しての単身赴任だった。子供たちはすでに独立している半面、親は介護の必要な年齢に達している。こちらもやはり、いずれは東京へ帰らなければならなかったのだと思う。

 ヤクルトの野球は来季、ガラリと変わるだろう。あの滅多に人を褒めない野村克也氏が「いま最も監督に向いている人物」と評している宮本氏がヘッドコーチに就任するのだ。現役時代から非常に厳しく、後輩の指導にも熱心で、コワモテの畠山和洋が「初めて一軍に上がったころは宮本さんの目が怖かった」と言っていたほど。必要とあれば首脳陣批判も辞さない舌鋒の鋭さには、私も「そこまで言っていいのか」と何度か驚かされた。

 その宮本氏が解説者として観戦するだろうポストシーズンゲームで、広島の石井、河田両コーチが最後の大仕事として37年ぶりの日本一を目指す。乱れ飛ぶ揣摩憶測の中、これも隠れた見どころのひとつかもしれない。

  
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