BBC News

2017年10月23日

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英国最大の5つの経済団体は、欧州連合(EU)離脱をめぐる交渉について、早急に暫定合意に達しなければ、雇用や投資を失う危険があると警告する書簡を英政府に送る予定だ。

英経営者協会(IOD)と英産業連盟(CBI)などは、デイビッド・デイビスEU離脱相に送る予定の共同文書の中で、時間はなくなりつつあると述べた。

関係者によると、文書はまだ草稿の状態だが数日中に送られる予定。

英政府の報道官はブレグジット交渉が「具体的にはっきりと進捗している」としている。

共同文書には、英商工会議所(BCC)と英小企業連盟(FSB)、英製造業連盟(EEF)も署名している。

これらの団体は、何百万人もの従業員を抱える企業を代表している。

さらなる譲歩

ブレグジット交渉の進捗が見られないと考える企業の間には、不安が広がっている。

5団体の一つはBBCに対し、共同文書を出すことによって「合意と明確さがほしいと強調できる」と考えたと語った。

5経済団体は、最終的な離脱合意が施行される前の移行期間のEUとの貿易協定が、なるべく現在のものと同等であることが重要だと指摘する。

テリーザ・メイ英首相は、これまでとほぼ同様の取り決めの下で貿易を行い、英国が拠出金の責務を果たす移行期間を約2年と示唆している。

EU側の交渉官たちは、将来的な関係構築のための準備を始めることに合意したものの、貿易と暫定合意の交渉の前に、拠出金を清算するいわゆる英国の「手切れ金」について英国側の譲歩を求めている。

草稿段階の書簡の内容を確認したとするスカイニュースとガーディアン紙によると、草稿には「企業は来年始めに英国での雇用や投資に影響を与える重大な決断を下そうとしているため、なるべく早く暫定合意が必要だ」と述べているという。

さらに、「英国のEU離脱で企業が取り組む調整は2回ではなく、1回であることが不可欠だ。またブレグジットを成功させるために、企業や英国政府、それにEU当局が十分な変更を加える時間をもうけることも重要だ」と加えた。

BBCの取材では、共同文書に署名した経済団体は内容の公開を希望していないもよう。

英国での雇用や投資が失われるという懸念は、投資銀行大手ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)がツイッターで、これからはドイツ・フランクフルトで「より多くの時間を過ごすだろう」と述べたことを受けて、さらに強まった。

ゴールドマン・サックスはロンドンで6000人の従業員を抱えているものの、ブレグジットを前にドイツの金融都市フランクフルトでの存在感が増している。

今月、イングランド銀行のサム・ウッズ副総裁はクリスマスまでに英国とEUが暫定合意に達していなければ、企業は緊急対応策を講じ始めるだろうと警告した。

EEFは23日に発表された調査で、ブレグジットの不確実性のため、製造業が新しい工場や機械への投資計画を手控えていると述べた。

EEFによると、加盟企業の投資見通しは「ぎりぎりで均衡して」おり、51%の企業は今後2年間で投資を増やす見込みで、残りの企業は英国のEU離脱をめぐる不確実性により、予定していた支出を抑えているという。

「非常に専門的」

英国の手切れ金をめぐっては、フランスが最も強硬なEU加盟国だと判明した様子を受け、デイビス氏は23日、ブレグジット協議のためパリに向かう予定だ。

メイ首相は同日、先週ブリュッセルで行われたEU首脳会議での進捗を英下院に説明する見通し。

メイ氏は交渉が「非常に専門的」な内容であるものの、何百万もの人々の生活が交渉の中心にあることを忘れていないと発言するとみられている。

EU離脱省報道官は、メイ首相はイタリア・フィレンツェでの演説で、厳格な時間制限を設けた実行期間を提案し、交渉初期でこの原則に合意することで、企業への不要な悪影響が最小化されることを明確にしたと話した。

報道官は、「交渉の重要な複数の分野で、具体的にはっきりと進捗している。しかし、残りの問題の多くは、我々の将来の関係をめぐる必要な協議と結びついている」と述べた。

「そのためEUが将来のパートナーシップに加え、移行の取り決めの枠組みをめぐって、内部の事前協議の開始に同意したのは喜ばしいことだ」

(英語記事 Brexit: Business leaders call for swift transition deal

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41718209

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