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2017年10月24日

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18日から北京で開催されていた第19回中国共産党大会は24日、習近平総書記(国家主席)の政治理念を党規約に盛り込む改正案を承認した。習氏は毛沢東以来の権威を手に入れた。

党大会の閉会前、「習近平思想」を指針として党規約に盛り込むことが全会一致で承認された。これにより習氏の権威に挑戦するのは共産党支配を脅かすのと同じだとみなされるようになる。

2000人以上の党員代表を集め、5年に1回行われる非公開の党大会では、党の憲法に相当する党規約に「新時代の中国の特色ある社会主義についての習近平思想」が最終的に承認された。

現場で取材するカナダの日刊紙グローブ・アンド・メールのネイサン・バンダークリップ記者によると、手続きの最終段階で異議はないか会場に質問が投げかけられると、出席者たちは大きな声で「なし」と応じたという。

過去の党指導者たちも自らの理念を党規約に盛り込むことに成功しているが、最も権威の高い「思想」の名称で自らの名前と共に規約に掲げられた指導者は毛沢東以来いない。

毛沢東氏以外では、故鄧小平氏が説いた理念が「理論」の名称で規約に盛り込まれたことがある。


<解説>なぜ重要な動きなのかーーキャリー・グレイシー中国編集長

中国の新たなスローガンはすぐ覚えられそうなものではない。

しかし、学校の生徒たち、大学生、国営工場の職員たちは9000万人の党員たちと同様に新時代の中国の特色ある社会主義に関する「習近平思想」を学ばなくてはならない。

「新時代」という言葉で中国共産党は、現代中国が3つ目の段階に入ったことを言い表そうとしている。

最初の段階は、内戦で破壊された中国を毛主席の下で立て直す時代、次は鄧小平氏の下で国民が豊かになる時代、そして3番目の段階は、団結と豊かさをさらに高める一方で、国内では規律が守られ、対外的には強い中国を目指す。

習近平の名前が冠され、これらすべてが党規約に盛り込まれたことで、ライバルたちは今や、共産党の支配を脅かすことなくして、習氏の権力に挑むのは不可能になった。


「習近平思想」とはどんなものか

一見したところ曖昧な美辞麗句のようだが、習氏がトップに就任して以来掲げてきた理想の共産主義を説明している。

14の主な項目は、国の統治のあらゆる側面で共産党が果たす役割を強調するほか、以下の内容がうたわれている。

  • 「完全で深いレベルでの改革」や「新しい発展のアイデア」への呼びかけ
  • 「人間と自然が調和する生き方」の約束。これは環境保護の向上だけでなく、国内の電力需要の大きな部分を再生可能エネルギーが担うようにするという従来の方針を意味するかもしれない
  • 「人民軍に対する共産党の絶対的な支配」の強調。同時に現代中国史最大の規模だと専門家らが指摘する軍幹部の入れ替えが実施されている。
  • 「一国二制度」と本土との統合の重要性の強調。これは明らかに香港と台湾を念頭に置いているとみられる。

このほかの出来事

1週間にわたる党大会では、2000人以上の党員代表が地方の党トップや行政機関の長、一部の国営企業の経営トップの人事を承認した。

24日には、党の中央委員会や中央規律検査委員会の委員が承認された。

他の注目点

25日には、中央委員会によって上部組織の中央政治局の委員が選ばれる。

党員代表の意見も一部反映されるものの、実際は党の最高指導部の指示の下、それぞれの階層で事前に選ばれた候補者の中からメンバーが選出される。

党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の構成も25日に発表される。習氏は党のトップに再任されると幅広く予想されているが、習氏の盟友として知られ腐敗撲滅運動を指揮した王岐山氏は常務委員からの退任が発表された。

常務委員会に誰が加わるかは、特に注目されている。北京で取材するBBCのロビン・ブラント記者は、常務委員会の構成から習氏が誰を後継者として考えているかが示唆される可能性があると指摘した。

習氏の下での過去5年間、中国は経済を大きく発展させ、近代化を進め、世界の舞台で主張を強めた。

しかし同時に、権威主義的な統治が強まり、検閲や人権侵害の事例が相次いだ。

(英語記事 Xi Jinping 'most powerful Chinese leader since Mao Zedong'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41731590

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