中国人観光客はいま

2017年11月2日

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中島恵 (なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年山梨県生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか?』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』『中国人エリートは日本をめざす』(ともに中央公論新社)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日本経済新聞出版社)などがある。

――具体的にはどのように集客しているのですか?

朱峰氏:美容関係のインバウンドを行っている企業2社と提携し、3月から中国人のお客様をモッズ・ヘアのサロンに送客を始めました。ほかには私の知人や友人、訪れた方のご紹介、クチコミなどです。受け入れ店舗は、東京・虎ノ門ヒルズにある「アンダーズ東京」51階にある「モッズ・ヘア・オン・アンダーズ東京店」が中心です。ここは景色が素晴らしく、晴れた日は富士山がよく見えるので、中国を始め、海外のお客様にも大変好評なんです。通訳などの問題で、インバウンドのお客様を受け入れられる店舗は今のところ限られています。東京では銀座、新宿、池袋などで、ほかに京都、福岡、仙台、札幌の一部の店です。これらの店舗には中国語と英語のマニュアルも用意しています。

モッズ・ヘア・オン・アンダーズ東京店

 完全予約制ですので、お客様の旅行の計画に合わせて、提携会社経由で予約を入れたり、私や中国人スタッフから予約を入れることもあります。通訳は弊社の中国人社員がつとめています。

 最初の月は20人くらいから送客を始めましたが、人数は少しずつ増えているといった状況です。美容院という場所ですので、大勢の人を受け入れることは物理的に不可能ですし、大量のお客様は私たちも望んでいません。私たちは量よりも質を重視しており、1人のお客様への丁寧な接客や美容技術の高さに満足していただけたら、それが自然とクチコミで広まっていくのでは、と考えています。この半年の間にも、来店された方がウィーチャットに写真と文章を書き込んで宣伝してくださったり、中国で流行しているネット生中継をしてくれた方もいます。私たちとしては、一気呵成に数で勝負するインバウンドを目指すのではなく、1人ひとりのお客様を大事にし、真の美を追求するお客様に来店していただきたいと思っています。

――モノを買うのとは違うので、確かにその通りだと思います。中国のお客様が求めるものは何か特徴があるのでしょうか?

朱峰氏:現在来店してくださっているお客様たちは、30代前半の流行に敏感な女性が中心で、20代~50代くらいまでいます。企業経営者の方や会社員など、職業はさまざま。定期的にご来店してくださっている方もいます。特徴としては、1人当たりの単価が3万円ほどで平均単価よりも高めです。ときには5万円ほど利用していただく方もいます。トリートメント剤なども最もランクの高いものを使用していただくことが多いですね。また、最近欧米で流行している薄グレーにカラーリングする方が多いという点も挙げられます。日本の方の場合、流行といっても、なかなかその色にカラーリングする勇気はないようなんですが、中国の女性は思い切ってやってみたいという方が比較的多いと思います。

 もちろん、カット技術など美容師の高い技術を求める気持ちも強いと思います。わざわざ日本にやって来たので、中国よりも技術的にすばらしい美容師さんにやってもらいたいという要望はありますね。それに加えて接客やサービス、美容サロンの雰囲気、リラックスできる環境といったものも求められていると思います。

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