したたか者の流儀

2017年10月31日

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パスカル・ヤン (Pascal Yan)

著述家

著述家。ルーヴァン・カトリック大学大学院中退(ベルギー)。証券マンとして25年間、欧州を中心に海外で過ごす。現在の職業は都内大学教授。

 

 自動車が存在しなければ交通事故は起きない。同じ論理がバブルと中央銀行の関係だろう。人類が中央銀行を持たなかったころは、国民全てを巻き込むようなバブルは発生しなかった。もちろん、オランダのチューリップバブルや日本の明治初年ウサギバブルはあったが、参加者や経済規模は知れていた。

(podtin/iStock)

 では中央銀行が存在しなければバブルは発生しないとすれば、中央銀行がなければよいかといえば、そうでもない。中央銀行のお陰様はたくさんある。1700年以降の驚くべき技術進歩は信用創造とアニマル・スピリットの賜であろう。

 バブルといえば、1987年の10月にブラック・マンデーが起こり、世界の金融市場を大混乱に陥れた。10月19日だったそうだ。30年昔のことだ。たまたま、10年前を思い起こせば、100年に一度の金融危機といわれるリーマンショック発生の狼煙というべき、BNPパリバのファンド設定・解約停止騒ぎが夏に発生している。その後も、ニューヨークの株は上昇を続け、天井をつけたのが今の季節だった。

 現在、金融市場ではバブルであり、崩壊近いと騒ぐ声も多いが、世界中それなりに、悪材料を吸収して30年前のブラック・マンデー記念日10月19日は堅調に通過した。

 今後のことは誰もわからない。加えて人間関係の機微あれば、バブル崩壊は別のマイルドな形となったかもしれない。特に、リーマンショックは、全権を持っていた米国財務長官が、バブル崩壊の引き金となったリーマンブラザーズのトップと犬猿の仲どころか、開闢以来、双方が恨み骨随の関係であったのだ。

 助けてほしければ“靴をなめろ”“ふざけるな”となってしまったのだろう。今となってはせんないことだが、役者が悪すぎたのだろうか。

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