中国人観光客はいま

2017年11月6日

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中島恵 (なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年山梨県生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか?』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』『中国人エリートは日本をめざす』(ともに中央公論新社)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日本経済新聞出版社)などがある。

――中国ではスマホ決済が当たり前になっていますので、日本にいても現金を持ち歩かず、中国にいるのと同じようにウィーチャットペイが使用できたら、とても便利だと思います。

李氏:そうですね。言葉の問題もありますし、ウィーチャットペイで支払いできる場所が日本にもっと増えていけば、より買い物をしやすくなると思います。

 現在、弊社が力を入れているのは、日本での新しい決済サービスです。従来、加盟店での決済はほとんどアイパッドで行っていましたが、アイパッドは1台5万円以上しますし、そのままではレシートを出すことができませんでした。端末を設置する経費がかかることも電子決済をしたい店舗にとってネックとなっていたことから、プリンター一体型の比較的低価格なQRコード決済専用端末『StarPay』を中国企業と共同で開発、7月から発売を開始しました。すでに多くの商業施設(新千歳空港や東急プラザなど)では使用を開始しており、17年9月時点で1000台ほど設置されています。

QRコード決済専用端末『StarPay』

 『StarPay』の特徴は端末の価格が3万円台と比較的安く抑えられることと、ウィーチャットペイ以外の決済機能(LINEペイや銀聯QRなど)も利用できること、日本人や中国以外の外国人も簡単に利用できること、その場でレシートも発行できること、専用端末なので、余計な機能がついていなくて利用しやすいこと、などが挙げられます。

 従来、店舗では各社のスマホ決済ごとに別々の端末を用意しなければならなかったのですが、『StarPay』は弊社のサーバーと各社の決済サーバーを応用プログラムインターフェース(API)で接続するので、ウィーチャットペイはもちろん、他社の支払いもすべてこの1台で行うことが可能です。店にとっては経費が抑えられる上、店に端末を何台も持たなくてよいというメリットがありますし、取り扱いも簡単で利用者層も広がります。

専用端末なのでシンプルで使いやすい

――それは便利ですね。日本ではスマホ決済をした経験がない、という人がまだ多いと思いますが。

李氏:利用方法はとても簡単です。まず利用者は専用のアプリをダウンロードして、クレジットカードにひもづけし、銀行から引き落としできるようにして、個人認証用のQRコードをスマホに入れておきます。

 店舗で支払う際、店舗に設置した端末のQRコードを自分のスマホでスキャンし、利用金額を入力します。次に決済用の認証コードを入力すれば、わずか数秒で支払い決済が完了します。同時に店舗にも入金のお知らせが表示され、入金確認ができます。これは中国のウィーチャットペイの支払い方法と同じですが、日本でもLINEペイなどはこの方式で同じ端末でマルチ決済ができます。

――日本政府もフィンテック普及を後押ししていますので、タイムリーですね。

李氏:金融庁と経済産業省は、クレジットカードなどでお金を支払うキャッシュレス決済の比率を、今後10年間で40%に引き上げるといっています。ITと金融を融合したフィンテックを活用して利便性を高め、消費喚起にもつなげたいとしていますので、日本もキャッシュレス社会に移行していくと思われます。

 日本のインバウンドはまだ始まったばかりですが、今後、必ず成長していく分野ですので、日本企業は短期的ではなく、長い目で見て戦略を練る必要があると思います。インバウンド業界にとっても、キャッシュレス化は望ましい方向ですので、弊社は今後もウィーチャットペイを推進していきたいと思っています。
 

  
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