世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年11月10日

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 台湾の蔡英文総統は、10月10日の双十節の演説で、台湾の防衛力強化、善意に基づく両岸関係の推進、国内の改革継続を約束しました。同演説の概要を示した台北タイムズの10月11日付け記事を御紹介します。要旨は次の通りです。

(iStock.com/photoncatcher/ leungchopan/Dolimac/Dolimac/ Artindo)

 蔡英文総統は双十節の演説において、台湾の自由と民主主義を防衛することを誓約し、長期の平和と安定のより強固な基盤を作るべく中国の指導者と新たな両岸関係のモデルを作り出すための協力を呼びかけた。国家を防衛し自由と民主主義を守る力を高めるべく、軍の戦闘・防衛能力を強化する、と述べた。また、台湾は台湾海峡と地域全体の平和と安定に引き続きコミットし続けると述べた。

 蔡は、最高司令官として軍の改革に全面的な責任があるとして「新時代の戦争への対処の必要性が高まる中、我々の新世代の軍は量だけでなく質も重視する。 サイバーセキュリティ、サイバースパイの脅威の高まりに備え、重要インフラの防衛能力を高めなければならない」と言っている。技術交換を通じて、国産のジェット戦闘機と潜水艦の建造を含む、台湾自身の防衛産業を構築し続けることも約束した。

 蔡は、軍の改革の目的は、戦争を求めるためではなく、台湾の自由、民主主義、生き方、台湾人が将来を自己決定する権利を守るためだと述べた。両岸関係は2300万の台湾人の将来の幸福に影響する問題であるとして、平和で安定した両岸関係を守るために我々は最大限の善意を示してきた、とも述べた。

 蔡は、中台間の政治的相違が厄介をもたらしてきたが、蔡政権は両岸関係の安定を維持するよう努めてきた、と述べた。「我々の善意は変わらない、我々のコミットメントは変わらない、我々は対立の古い道には戻らない、圧力には屈しない」とのこれまでの姿勢を繰り返した。

 今年は両岸交流30周年に当たるが、蔡総統は、過去30年、中台間の敵意は平和的発展に取って代わられ、両岸関係に新たな一章が書き加えられた、と述べ「現実的であろうとして双方が政治的相違を脇に置くことができたことが鍵である」と指摘した。中国に対し、過去30年間の苦労の末に得た成果と善意の蓄積を大事にするよう呼びかけ、「この基盤に立脚した両岸関係進展を望む」と述べた。

 内政に関しては、経済・産業構造の改革、介護サービスの拡大、年金改革、司法制度改革などを挙げ、台湾人のよりよい生活のために改革の推進に邁進する、とした。

 民進党主席でもある蔡英文は、各政党指導者(国民党の呉敦義主席、親民党の宋楚瑜主席、「時代力量」の黃国昌党首、民国党の徐欣瑩主席)を招き、憲法改正、台湾の民主主義の擁護といった問題につき、意見を交換した。

 蔡は、演説で触れた問題は、国内の改革、台湾の民主主義と自由の擁護、国際社会における台湾の地位向上、いずれについても台湾が団結することが必要である、と述べた。

 蔡は、「懸案を議論するため、各政党の指導者を公式に招いた。我々は、団結している限り、民主主義、自由、繁栄の誇りを世界に示すことができる」と述べた。

出典:‘Tsai vows to defend the nation’(Taipei Times, October 11, 2017)
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2017/10/11/2003680112

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