BBC News

2017年10月31日

»著者プロフィール

米フェイスブック社は30日、ロシア政府系企業が投稿した情報は過去2年間で1億2600万人の米国内ユーザーに届いたと明らかにした。2016年米大統領選の前後に、約8万件の投稿が米国の有権者向けにロシア系アカウントから発信されたという。そのほとんどは、社会を分断し対立を煽る政治的内容だった。

フェイスブックがロイター通信と米紙ワシントン・ポストに提供した情報によると、2015年6月から2017年8月にかけて8万件の投稿が、ロシア政府と関係のあるロシア企業によって掲載された。

ロシアの情報工作が大統領選に与えた影響を調べている米上下両院の情報委員会は近く、フェイスブックやツイッター、グーグルの関係者を呼んで公聴会を開く。

ロシア政府はこれまで繰り返し、米大統領選に影響を与えようとした事実はないと否定している。ヒラリー・クリントン氏を破り当選したドナルド・トランプ米大統領も、ロシア当局と自陣営の結託はなかったと否定している。

ロイター通信によると、フェイスブックのコリン・ストレッチ法務担当は、ロシア政府が関係する大量の政治的投稿は「コミュニティづくりというフェイスブックの使命、そしてフェイスブックが大事に思うものすべてに、真っ向から対立する行為だ」と批判。「この新しい脅威に取り組むため、できることはすべてするつもりだ」と決意を表明した。

ワシントン・ポスト紙によると米グーグル社も30日、ロシアの「荒らし」アカウントがYouTubeで18個の個別チャンネルに1000本以上の動画を投稿していたと発表した。

一方でロイター通信が伝えた消息筋の話によると、ツイッター社が上院情報委員会に提出した資料には、ロシアの「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」のものだと判明したアカウント2752個を凍結したと報告されているという。


最近の主な動き

  • 2016年11月――フェイスブック創設者マーク・ザッカーバーグ氏、「フェイスブックのフェイクニュースが選挙結果に少しでも影響したなんて、かなりクレイジーな考えだ」と発言
  • ――ザッカーバーグ氏、フェイスブック上の偽ニュースは「ごくわずか」だと発言
  • 2017年8月――フェイスブック、偽情報と疑わしいコンテンツはファクトチェックにかけ、発見内容はオンラインで発表することでフェイクニュースに対抗すると発表
  • 2017年9月――米上院情報委員会、大統領選挙へのロシア介入疑惑に関する説明会にツイッター社が出席したものの、「まったく不十分だった」と批判
  • 2017年10月――報道によるとグーグルは、ロシア工作員が大統領選結果を左右しようと数万ドル分の広告を出稿していたと発見
  • 2017年10月――フェイスブックは、選挙中にロシアで買い取られた広告3000件の内容について詳細を明らかにすると表明
  • 2017年10月――ロシア・メディアのRTとスプートニクが選挙結果を左右しようとしたと批判されるなか、ツイッターが両社による広告枠購入を禁止

<解説>  一蹴されても――デイブ・リー、BBCテクノロジー担当記者(サンフランシスコ)

マーク・ザッカーバーグ氏がこの問題を「クレージー」な話だと呼んだのは、わずか1年前だ。この1年でこのロシア介入問題が、世界最大のソーシャルネットワークにいかに危機をもたらしているかと思うと、呆然とするものがある。

「クレージー」だと一蹴した自分たちの間違いから学ぶこともなく、どうやらフェイスブックは今週になっても複数の米議会委員会に対して、ロシア発の内容は2万3000分の1にすぎないと言うつもりらしい。

米議会はただでさえ、フェイスブック、ツイッター、グーグルといったIT大企業からの回答に満足していない。それだけに、いかにもエンジニアの言い訳然としたフェイスブックの言い分を、上下両院の情報委員会がそっけなく一蹴したとしても、フェイスブックは驚かないはずだ。

マーク・ザッカーバーグやツイッターのジャック・ドーシーCEO、グーグルの幹部たちが自ら、議員の質問に受け答えするわけではない。それは顧問弁護士の仕事だ。

巨大IT企業のトップが自ら作り上げたプラットフォームの影響力について、自分の口で証言せざるを得なくなるまで、果たしてあとどれくらいか。考えずにはいられない。

(英語記事 Russia-linked posts 'reached' 126m Facebook users in US

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41813184

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る