こんな子 こんな時 こんな絵本

2010年10月21日

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安冨ゆかり (やすとみ・ゆかり)

JPIC読書アドバイザー

JPIC(財団法人出版文化産業振興財団)読書アドバイザー。一女の母になったことから絵本の世界へ。書店や病院などでの読みきかせ、おはなし会で、子どもたちと絵本の世界を楽しみ、各種イベント・講習会など、絵本や読みきかせの楽しさを伝える活動にも参加している。別冊太陽「心をつなぐ読みきかせ絵本100」「続・心をつなぐ読みきかせ絵本100」(平凡社)執筆メンバー。

 最近孫が誕生して、おばあちゃんになった人が身近にいます。時おり、微笑ましい話を耳にするたびに、子育て中、とくに子どもが幼いときは、「はじめての~」とか、「はじめて~した」ということの連続であり、日々“記念日”のような時間を過ごしていたことを思い出しました。およそ、日記という類のものが続いたためしのない身には、わが子の「育児日記」も憧れだけで終わっていますが、『かーかん、はあい』(朝日新聞出版)を読んだとき、せめて、本に関するメモくらい残しておけばよかったと、後悔しました。

 『かーかん、はあい』は、副題に『子どもと本と私』とあるように、歌人の俵万智さんが息子さんの子育て中、共に出会い、楽しんだ本の数々が紹介される育児&読書日記です。息子さんの成長に合わせて登場する本が変化していく様子は、「そうそう、そうでした!」とうなずく事も多い臨場感にあふれ、とても身近に感じられます。元は、新聞に連載された文章というのも、読みやすい一因かもしれません。ただ、本を紹介するだけでなく、著者と息子さんの生活が垣間見られるのも、親子で一緒に本を読む時間が生活の中にあることの豊かさを、改めて教えてくれるようです。そして、「これは、おもしろそう。読んでみよう」というように、本選びの参考にもできると思います。

 本選びをするとき、みなさんが参考にされるのはなんでしょうか。新聞や雑誌の記事や広告、身近な本好きな人の話など、いろいろあると思います。いつもは、『こんな子・こんな時』の切り口で、絵本を紹介していますが、今回は、みなさんが、『こんな絵本』に出会うとき、大きな助っ人となる「ブックガイド」について、触れてみたいと思います。

できることから始めてみる

『子どもを本好きにする50の方法 +おすすめ本300冊』 (柏書房) さくまゆみこ 著  キーワードは、「誰にでもできて無理のない、わが子に読書習慣が身につく方法」。

 以前、読みきかせについて尋ねられたときに、「でかける、選ぶ、そして読む。結構、アクティブなものだと思います」と、お答えしたことがあります。まず、本のあるところ、書店や図書館へでかけなければ、本そのものに出会うこと、手にすることはできません。そして、読むのは、本を選んだ後のことです。間の「選ぶ」ことは、なかなか悩ましい作業ではありますが、避けられないものです。選ぶことが出来る事を楽しむヒントになればと思います。

 『子どもを本好きにする50の方法+おすすめ本300冊』(柏書房)は、親の願望を端的に表現した書名に引かれて手にした本でした。日頃から感じていたことがまとめられていて、すっきりした気分になったと同時に、わが子としていたことが間違いではなかったと安心することができた、身近でわかりやすい内容でした。新しい目線を触発された点もありましたが、実行するのが難しい、特別な方法が列挙されているわけではありません。共感できたこと、できることから始めてみてはどうでしょうか。

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