ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2017年11月7日

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佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

塩辛さをあまり感じない加工食品に注意

 食塩には「腐敗を防ぐ」という重要な役割があるし、食品加工上、食塩が不可欠な物もある。なので、ほとんどの加工食品には食塩が多く含まれていると考えよう。魚の干物や魚卵加工品、野菜の漬物、畜肉の加工品(ハム、ベーコン、ソーセージなど)などは、食べたときに塩辛いので食塩が多いことは推察できるだろう。

 これらをできるだけ控えるのはもちろんだが、舌で塩辛さを強く感じなくても、食塩含有量が高い加工商品もある。たとえば、パンやめんやスナック菓子類、ちくわやかまぼこなどの水産加工品などがこれに当たる。

 当然といえば当然なのだが、食べ物に味をつける調味料類にも食塩が含まれている。みそやしょうゆなどの和風調味料に食塩が多いことはよく知られているが、マヨネーズやケチャップやサラダドレッシングなどの洋風調味料にも食塩が少なからず含まれている。これらは、すでに味がついている料理にプラスして使ったり、無意識に多量に使ったりすることが多い点で注意が必要。

 主食の中で食塩がほとんど含まれてないのはご飯(白飯)だが、「味付きのご飯」にすると、いきなり食塩含有量が高くなる。チャーハン、五目飯、寿司などはかなり食塩が多い。白飯でも汁をかけてある物は食塩が多くなる。たとえば、牛丼や天丼やカツ丼、おかず(梅干し、塩サケなど)をのせたお茶漬けも意外に食塩が多い。

食べ過ぎ・飲み過ぎが食塩過剰摂取の主因

 「和食は食塩摂取量が多くなる」ことは比較的容易に推測できるが、こうしてみてくると「洋風の食事でも中国風の食事でも、食塩摂取量が少ないとはいえない」ことがわかるだろう。食塩摂取量とエネルギー摂取量には相関関係が強いという報告もある【※2】。つまり「たくさん食べる人は食塩もたくさんとりがちである」ということになる。

 和風であろうが洋風であろうが中国風であろうが、味付けに一定以上の濃さがないとおいしくは感ぜられないだろうから、これには一理ある。食塩摂取量を減らす最も効果的な方法は「食べ過ぎない」ということになる。

 欧米人は日本人に比べて食塩摂取量が少ないが、料理に使う牛乳のコクが調味料の役割をするといわれている。牛乳を上手に使うことは減塩につながる可能性があろう。ただし、同じ牛乳製品でもチーズには(バターにも)食塩がかなり含まれているので要注意。

 また、お酒のつまみには塩辛い物が多いので、過剰な飲酒も食塩のとりすぎに直結する。肥満者に高血圧の人が多いのは、これも1つの原因だろう。では逆に「太ってない人」は食塩摂取量が少ないといえるのだろうか? やっかいなことに、そうとは限らない。

 食塩の摂取量は「その人が肥満しているかどうか」にではなく「その人がたくさん食べているかどうか」に関係している。たとえば運動量が多くて肥満していない人であっても、たくさん食べていれば食塩摂取量は多くなる。「一生の間にどのくらい食塩を摂取するか」がその人の血圧値に大きく影響するという研究もある【※3】ので、やせているからといって高血圧にならないとはいえない(太ってる人よりは高血圧になりにくいが)。

 毎回のようにいっていることで恐縮だが、減塩対策(そして高血圧対策)にも「食べ過ぎない・飲みすぎない」ことが最も大切な生活習慣だということになる。

【参考】外食時の減塩対策はコチラに。

【※2】http://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20171011150708.pdf?id=ART0009922163
【※3】第5次循環器疾患基礎調査

  
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