BBC News

2017年11月7日

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米テキサス州サザーランド・スプリングスの教会で銃を乱射し、26人を殺害した米空軍出身の容疑者について、空軍が容疑者の犯罪歴を全国データベースに登録していなかったことが6日、明らかになった。空軍が発表した。

デビン・パトリック・ケリー容疑者は乱射事件を起こして現場から逃走した後、自動車内で死亡しているのを発見された。容疑者はかつて空軍に所属していたが、2012年に当時の妻と妻の子供への家庭内暴力のため軍法裁判で有罪となり、銃の所持や購入を禁止された。しかし昨年、軍仕様の半自動銃を購入し、5日の襲撃に使用した。

調べによると、教会の礼拝に向けて乱射した容疑者は、その場にいた人たちに撃ち返され、追跡された後、自分を撃って死亡したもよう。

空軍は6日、声明を発表し、「これまでの情報では、ケリー(容疑者)の家庭内暴力事件について、ホロマン空軍基地特別捜査部が国家犯罪情報センターのデータベースに登録しなかったようだ」と明らかにした。国防総省と共に、ケリー容疑者の犯罪記録の取り扱いについて内部調査を進めているという。

空軍の発表に先立ち、テキサス州のグレッグ・アボット知事は、州政府は容疑者に銃の所持を認めなかったので、合法的に銃を購入できたのはおかしいと述べていた。

義母への怒りか

調べによると、ケリー容疑者は半自動ライフルと短銃2丁で武装し、ファースト・バプテスト教会を襲った。乱射の前に、義理の母親と口論していたといわれる。

事件現場にいた男性に撃たれて逃走した容疑者は、父親に電話をかけ、自分は助からないと思うと話したという。

テキサス州公衆安全局の地区責任者、フリーマン・マーティン氏は、「動機は人種差別でもなく、信仰に関するものでもない。家族や義理の家族との間で、いさかいが続いていた」と話した。容疑者は、義母を脅すテキストメールを複数、送っていたという。

「この教会に通う義理の母に、怒りをあらわにしていたことは分かっている」とマーティン氏は付け足した。

1歳の子供も犠牲に

ウィルソン郡のジョー・タキット保安官によると、犠牲者26人には12歳から14歳の子供も含まれる。一番年少の犠牲者はわずか1歳だった。

米紙ワシントン・ポストによると、ホルコム一家は乱射で一度に家族8人を亡くした。ホルコム一家の隣人はBBCに対して、一家は教会から帰って来なかったと話した。

サザーランド・スプリングスは人口数百人の小さい農村で、サンアントニオ市から約50キロ南東にある。

被害のあったファースト・バプテスト教会のフランク・ポメロイ牧師は米ABCニュースに対して、自分の14歳の娘アナベルさんが乱射で死亡したと話した。牧師夫妻は事件当時、オクラホマ州にいたが、娘について「とても美しい、特別な子供だった」と電話インタビューで話した。

事件では死者のほかに、20人が負傷した。

銃撃犯は「爆発前の火薬庫」

空軍報道官によると、ケリー容疑者は2012年、妻と妻の子供を暴行した罪で有罪となり、12カ月の禁錮刑を言い渡された後、その2年後に懲戒除隊となった。

アボット州知事は、「暴力的傾向のあるこの人物は、いくつか問題を抱えていて、まるで爆発を待っている火薬庫のようだったのは明らかだ」と話した。

容疑者は昨年7月まで、サザーランド・スプリングスに近いニュー・ブラウンフェルスで遊園地の警備員として働いていた。運営会社シュリッターバーンによると、勤務開始から5週間後に、雇用を「打ち切った」という。

調べによると容疑者は、武器を持たない警備員としての免許を持っていた。警察によるとこれは、「コンサートなどの会場警備員」に似た立場だという。

警察によると、「民間警備員免許の取得を妨げるような情報は、全国犯罪情報データベースに登録されていなかった」という。

米国では10月1日にラスベガスで、男がホテル高層階から野外コンサート会場を狙い、58人が死亡し数百人が負傷するという、近年の米国最悪の乱射事件があったばかり。

(英語記事 Texas shooting: US Air Force 'failed' to flag gunman's criminal history

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41896259

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