WEDGE REPORT

2017年11月10日

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――一般的に「成功している」と思われる地域に、共通項はありますか?

沢登:明確に答えられるのならば、もっとその解を地域に伝えていきたいくらいで、実際は地域ごとに状況が異なり、複雑です。「何をやるべきか」は多くの有識者の方々からかなりの知見が蓄積されてきていますが、重要なのは「誰がやるのか」という点ではないか、ということです。

 今は行政が主導して計画を立てる場合が多いのですが、行政だけがプレーヤーになるのではなく、Iターン・Uターンして地域でビジネスをやってみたいという人たち、その地域の民間企業、行政、8人くらいのチームで取り組むのがよいでしょう。ゴールを明確にイメージし、計画に落とし込み、予算をきちんととり、実行していく。外部のコンサルティング会社に丸投げ、ではうまくいくはずありません。

 地域の中だけ、外部の人だけ、で変革することは困難です。その地域の有力者にきちんと理解してもらい、後ろ盾になってもらわないと物事はほとんど進みません。地域力学と言いますか、合理性だけではすべてが解決しない世界なのです。

――都市部ではなかなか想像することが難しいです。イメージでは地方出身者は地域愛が強いから地域のためになることは積極的に取り組む気がしていました。

沢登:むしろ、「早くこんなところを出て東京にいって一旗あげなさい」ということを小さい頃から言われているので、地域愛は低いのです。自分たちの地域に愛着や誇りを持てれば、その良いところを伝えたくなり、観光にも良い影響が出るでしょう。この問題は根深いと感じます。

 また、祖父母世代の貯蓄があるうちは特に困ることもなく、「守り」の姿勢でも生きていけます。しかし、もっと下の世代が自分たちでやらないといけなくなったとき、「攻め」の姿勢に転じるでしょう。まだ「守り」の地域が多いかもしれません。

 東京や世界は「活用」するもので、さまざまな情報や経験を経て、一番良い時期に地元に戻ってきてビジネスを始める――。そんなビジョンが当たり前になるためには意識改革が必要だと思います。教育が重要ですね。地方創生はそういった考え方のベースを変えるものだと思うのです。

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