WEDGE REPORT

2017年11月10日

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特産のメカジキを使った「メカしゃぶ」。この他に「メカカレー」や「メカすき」などを開発した

――注目事例と特筆すべき点を教えて下さい。

沢登:まず、気仙沼です。ご存知のように東日本大震災で大きな被害を受け、主要産業の水産業は壊滅状態になりました。復興に向けて、地域経済の再生のために観光に力を入れていくと決まりました。

 「商品を生み出す」、「人を育てる」、「取り組みを継続的に行なうための仕組みづくり」、この3つを気仙沼DMOの事業概要の柱に据えています。特産のメカジキを中心としたブランド化の検討、市民が地元の魅力を再発見する場や地元事業家の人材育成の場の設定、それらを一過性のもので終わらせないための仕組みづくりとして、地域を一企業に見立て目標や役割分担を明確にし、「モレ・ダブリ」のない組織を作り上げています。

 瀬戸内海沿岸の7県が一体となった広域連携DMO「せとうちDMO」も参考になります。各県と民間企業で構成されるせとうち観光推進機構、地方銀行等による瀬戸内ブランドコーポレーションによる、「行政・民間×金融」がタッグを組み、地域内の事業者支援とともに新しい事業を作る体制となっています。新しい事業とはすなわち雇用を生み出すことで、産業の強化につながります。最近ではクルーズ事業「guntû(ガンツウ)」の就航が話題になりました。需要を作っていくことで供給が生まれます。

瀬戸内海に浮かぶ広島の御手洗地区

――DMOは登録制とのことですが、誰でも登録できるのでしょうか。

沢登:現状ではそうなっていますが、やはり認定制度にした方が質は担保できると思います。本質を理解していないまま「名ばかりDMO」が増えても意味がないですから。

 たとえば、国が地方創生の施策として何かやろうとすると、自治体は当然関心を持ちます。ただ、元々の意図が正しく伝わらないことが多いのです。「補助金もらえるらしいからDMOを作ろう」のように。本来の意図を正しく「翻訳」する存在が必要だと感じます。

 地域経営には非常に高度なスキルが求められます。誰が何をやるか、役割分担と責任の所在を明確にし、観光による経済活性が地域の住民の満足度・幸福度を高め、地域愛も高まっていくのはないでしょうか。
 

  
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