BBC News

2017年11月7日

»著者プロフィール

サウジアラビアで王族や閣僚、企業家たちが相次ぎ汚職容疑で逮捕されたことをめぐり、同国のシェイク・サウド・アル・モジェブ司法長官は6日、汚職撲滅運動は始まったばかりとの認識を示した。

同長官は声明文で、5日に明らかになった一連の逮捕は「あらゆる場所から汚職を根絶やしにするという非常に重要な過程の始まりに過ぎない」と述べた。

有力者らの汚職摘発によってムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)の権力が大幅に強まるとみられている。

皇太子が率いる汚職摘発組織は、王子11人、閣僚4人、数十人の元閣僚の拘束を命じた。国際的な知名度のある富豪で投資家のアルワリード・ビン・タラル王子も拘束者に含まれているとの情報がある。

ドナルド・トランプ米大統領はツイッターでサウジ当局による汚職摘発への支持を表明し、「サウジアラビアのサルマン国王と皇太子を強く信頼している。彼らは万事心得ている」と述べた。「厳しい扱いを受けている人の一部は、何年にもわたって国から盗んでいた!」。

シェイク・サウド・アル・モジェブ長官は声明で、捜査の進行状況について「第1段階」が完了したとし、「かなりの証拠がすでに集まっており、詳細にわたる聴取が実施されている」と述べた。

「現時点までに容疑がかけられた人物たちは、法的な支援を完全に受けることができる。裁判は適時に行われ、関係者に解放されたものになる」

5日夜にイエメンとの国境近くで起きたヘリコプター墜落の捜査が行われるなか、今回の汚職摘発が発表された。

南西部アシル州の副知事マンスール・ビン・ムクリン王子が乗っていたヘリコプターは、視察から帰る途中、アブハ近くで墜落。原因は現時点で分かっていない。

マンスール王子はムクリン・ビン・アブドゥルアジズ王子の息子。情報機関のトップも務めたムクリン・ビン・アブドゥルアジズ王子は2015年1月~4月にかけて皇太子だったが、現在のムハンマド皇太子の父であるサルマン国王(81)によって退けられている。

国営サウジ通信によると、マンスール王子と州政府幹部7人はアブハの西で進められている沿岸部の開発計画を視察していた。

サウジアラビアの国営ニュース専門チャンネル「アルエクハバリヤ」は、墜落現場で撮影された写真や墜落前に王子らがヘリコプターを使って視察をする様子をとらえた映像をツイッターに投稿した。

サウジアラビアは隣国イエメンで過去2年半にわたり、反政府勢力の「フーシ派」と戦う国際的に認められた政府を後押ししてきた。

サウジ内務省はヘリコプター墜落とイエメン内戦が関連しているとの見方は示していないが、4日には、フーシ派が発射した弾道ミサイルをサウジ軍が首都リヤド近くで撃ち落としている。

BBCのフランク・ガードナー安全保障担当編集委員は、反汚職運動を主導するムハンマド・ビン・サルマン皇太子について、国内の若い世代からは支持されているものの、危険な反動のリスクを伴う、いちかばちかの賭けに打って出ていると指摘した。

(英語記事 Saudi Arabia arrests: Corruption drive 'just the start'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41897277

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る