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2017年11月8日

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7日に投開票された米バージニア州知事選で、民主党のラルフ・ノーザム副知事(58)が共和党のエド・ガレスピー元共和党全国委員長(56)を下し当選する見通しとなった。激しい戦いとなった選挙は、ドナルド・トランプ米大統領が当選して1年たった現在の、政治情勢のバロメーターとして注目されていた。

選挙戦では、移民受け入れや南北戦争時の南部連合に関連した銅像をめぐる議論が戦わされた。

ワシントンでロビイストをしていたガレスピー候補は、選挙運動でトランプ大統領のポピュリスト的な政治手法を取り入れようとしながらも、トランプ大統領自身についてはほとんど言及しなかった。

今回の知事選は来年秋に予定される中間選挙の行方を指し示すものとなる可能性がある。

ノーザム副知事は事前の世論調査で優位だったが、選挙戦終盤では差が縮まり、民主党関係者をハラハラさせていた。

今回の知事選は、住民の人気が高いテリー・マコーリフ現知事の引退に伴い行われた。

民主党は今年、トランプ大統領に対して草の根レベルで有権者の反発が高まるなかでも、下院補欠選挙で4回敗北。巻き返しのきっかけを切望していた。

バージニア州知事選は、同日全米で行われた一連の州レベルや地域レベルの選挙の中でも最も注目されていた。

ニュージャージー州では、不人気だったクリス・クリスティー知事の引退に伴う知事選で、民主党のフィル・マーフィー候補が共和党候補に大差をつけて勝利する見通しとなっている。

バージニア州議会選では今回、同州で初めてトランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)だと公表している議員が誕生した。ダニカ・ローム氏(32)はトランプ氏を支持する共和党現職を下し、当選した。

激戦州のバージニア州は近年、民主党支持に傾くことが多くなっている。大統領選では、バラク・オバマ前大統領が2回とも同州を制したほか、昨年はヒラリー・クリントン候補が得票率でトランプ氏に5ポイント以上の差をつけて勝っている。

ガレスピー候補はノーザム候補が同州で非行集団による暴力を減らせなかったと批判。さらに、南北戦争で奴隷制度維持を支持し連邦から離脱しようとした、南部連合関連の銅像を撤去しようとしていると非難した。

ノーザム候補が意見を翻す事例が相次いだことから、同氏の選挙運動は活気を欠いていた。

ノーザム氏が従来の立場を変え、バージニア州内の市が不法移民を保護する「聖域」都市になろうとした場合には反対すると表明した際には、進歩派の支持者たちが激しく反発した。

ノーザム氏は以前、トランプ氏を「自己愛的狂人」と呼んでいたが、トランプ氏に協力すると述べた。

また、ノーザム氏は南部連合関連の銅像撤去を推し進めると約束していたが、その後、撤去の決定は地元当局の判断に任せるとし立場を変えた。

ノーザム陣営が流した人種差別を示唆するテレビ広告も足を引っ張った。広告の内容は、南部連合の旗が飾られガレスピー氏支持のステッカーが張られたピックアップトラックを運転する白人男性がマイノリティー(少数派)の子供たちを追いかけるというもの。ガレスピー候補は、共和党支持者は全員人種差別主義者だと民主党関係者が考えている証拠だと批判。広告はすぐに使われなくなった。

一方、ガレスピー候補はトランプ氏が引き起こした論争に関する質問への回答を避けていると非難された。トランプ氏が応援に訪れることはなく、トランプ氏がツイッターに投稿した支持表明をガレスピー候補が強調することもなかった。

トランプ大統領は選挙結果を受け、「エド・ガレスピーは頑張ったが、私そして私の主張を取り入れなかった。忘れちゃいけない、共和党は4回の下院選で4回勝っていて、経済(指標)は記録的な数字を出していて、我々はこれからも勝つ、それもこれまでよりずっとでっかく」とツイートした。

世論調査では、大卒の学歴を持たない白人有権者が支持基盤となっているトランプ氏が、同州では幅広い支持を得ていないという結果が示されている。

ワシントン近郊のリッチモンドやチェサピークベイでは、都市部に住む高学歴専門職の有権者が多く、民主党の牙城になっている。

(英語記事 Virginia governor election: Ralph Northam 'beats Ed Gillespie'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/41911290

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