WEDGE REPORT

2017年11月8日

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 11月7日、タイガー魔法瓶(以下、タイガー)は「タイガーだからこそできる調理器による健康ソリューションの提案していく」(菊池嘉聡社長)というコンセプトのもと、「食のソリューション」を発表した。

イメージキャラクターの佐々木希さん。健康と美容のため「バランスの良い食事をとるように心がけている。自宅では「コメを炊いて納豆を食べる」という

 高齢化、食生活の多様化によって「食と健康」への関心が高まるなかで、健康や美容に良い生活を送りたいということから、「美味しい食事」、「食べたい食事」を我慢している人が少なくない。

 そこでタイガーでは、創業以来培ってきた「熱コントロール技術」を利用して、「我慢」から解放すべく、健康分野での取り組みを強化する。この「食のソリューション」で、売上を108億円(18年度)から、23年度に200億円と倍増させる方針だ。

「食のソリューション」では、3つのコンセプトについて、3つの機関とパートナーを組んだ。

 まず、高齢者が飲み込みやすいご飯の炊飯技術を確立するというコンセプトのもと進められている「さらっとご飯」の開発。

「さらっとご飯」のイメージ

 健康寿命と平均寿命の差は、女性で12.68年。男性で9.13年となっている。老化によって、飲み込みにくくなり(筋力の低下)、誤嚥を起こしやすくなる(反射運動が低下)。その結果、70歳以上の肺炎の80%が誤嚥が原因といわれている。

 「さらっとご飯」は、2010年から研究スタートさせた。飲み込みにくさは、ごはんのベタつきに由来する。炊いた時に出る「おねば」を内部の「回収プレート」で取り除けるようにした。

 共同研究に携わった兵庫県立大学の坂本薫教授は「高齢者施設で調査すると高齢者のごはんは、水加減を増やしてやわらかめのご飯を炊くことが多い。一方おかゆも、水分が多いため必要な栄養量が確保しにくい」という。「さらっとご飯」ができる炊飯器の発売は18年中を予定している。

麦めしメニュー搭載のIHジャー「JPG-X100」

 次に、「麦めし」メニューの搭載IHジャー。穀物メーカー・はくばく(山梨県)と連携し、炊き上がりの時の匂いを飛ばし、美味しく炊き上げる「麦めし」専用のメニューを搭載したIHジャーを開発(「JPG-X100」)。炊飯器メーカーのなかでもいち早く開発に着手したという。

 はくばくの長澤重俊社長は「日本人が最も健康的だったとき、ご飯には「大麦」が入っていたのではないかと言われている」という。大麦の匂いや味という難点を「Re-innovation」する形で開発にあたった。

 食物繊維の摂取量は、60年で7グラム減っている。そうしたなか、大麦は、ごぼう、かぼちゃなどに比べても食物繊維の量が多い。来年には約90%のIHジャーで「麦めし」メニューが搭載されることになるという。

IHホームベーカリー「KBD-X100」

 最後に、「無添加グルテンフリー食パン」メニューを搭載した、IHホームベーカリー(「KBD-X100」)。健康志向の人から注目されている「グルテンフリー」の食パンを無添加でふっくら焼くことができる。特定原材料7品目(乳、卵、小麦、そば、落花生、えび、かに)、グルテンや増粘材などの食品添加物を使用せずに、米粉100%でふっくらとした食パンを焼き上げる技術を、農業・食品産業技術総合研究機構と共同開発した。

 これまでパンを膨らませる役割を持つグルテンや増粘剤なしでは、うまく膨らまないということが課題だったが、独自のIH技術を使うことでそれを克服したという。

 調理器具メーカーのイメージが強いタイガーだが、最近では、先端技術の応用も行なっている。それがJAXAと共同開発で、宇宙ステーションで開発した「たんぱく質」を地球に持ち帰るべく、容器の内部を4度に保ち、海水着水の衝撃に耐える、真空二重断熱容器の開発を進めている。

  
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