今月の旅指南

2017年11月22日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 厳しい寒さが身に染みる12月の深夜、締め込み姿の男衆が川に入って身を清め、円陣を組んで水を掛け合う。福岡県糸島市白糸地区の熊野神社に伝わる「白糸の寒みそぎ」は、400年以上前の山伏の修行が起源といわれる勇壮な神事だ。

 当日は夜になると神社の境内にたき火をおこし、男衆が三々五々集まってくる。23時30分の1番太鼓の合図でたき火の周りに集まり、15分後の2番太鼓で出発に向けて気合を入れる。神主による祝詞(のりと)奏上やお祓いの後、24時の3番太鼓で、200メートルほど離れた川のみそぎ場へと向かう。

 御神灯(ごしんとう)と呼ばれる提灯(ちょうちん)と松明(たいまつ)の明かりを先頭に、奉納する「御国米(ごこくまい)」を入れた桶を持つ3人の年男が続き、総勢70~80人が威勢よく声を掛けながら川を目指す。

 「川に入り肩まで水につかって身を清めて水を掛け合うと、寒いを通り越して水しぶきが痛いほどです。川上の清流で御国米を研ぎ終わると川から上がりますが、神社まで引き上げていくときに締め込みが凍ることもあります」と、熊野神社総代の青木一良さん。

川をせき止めて作ったみそぎ場で水を掛け合う

 神社に戻ると川で研いだ御国米を火にかける。炊きあがったご飯は円錐形に高く盛られて神前に供え、翌朝の傾き具合で来年の豊凶が占われる。

●白糸の寒みそぎ
 <開催日>2017年12月16日~17日*16日深夜から17日未明まで

 <開催場所>福岡県糸島市白糸地区・熊野神社
 (筑肥線筑前前原駅からバス *夜はタクシーのみなので、予約が望ましい)
   <問>糸島市観光協会☎092-322-2098

   URL:http://www.itoshima-kanko.net/?contents-cat=%E7%99%BD%E7%B3%B8%E7%86%8A%E9%87%8E%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E3%81%AE%E5%AF%92%E3%81%BF%E3%81%9D%E3%81%8E

*情報は2017年10月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年12月号より

 


 

 

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