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2017年11月10日

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島澤 諭 (しまさわ・まなぶ)

中部圏社会経済研究所チームリーダー 

富山県生まれ。1994年東京大学経済学部卒業 同年4月経済企画庁入庁。調査局内国調査第一課、総合計画局計量班、調査局国際経済第一課等を経て2001年内閣府退官。02年秋田経済法科大学経済学部専任講師、04年10月秋田大学教育文化学部准教授。12年4月より現職。

きっかけは2012年の政権再交代にある

 足元では、自らを保守と考える層が増加しているのは確かであるが、日本の場合、保守を代表する政党は自由民主党(以下、自民党)であるので、以下では、国政選挙で、自民党に投票した者が各世代に占める割合の推移について、公益財団法人明るい選挙推進協会の資料を用いることで、明らかにする1

 図1は、傾向的に、世代が上がるほど自民党に投票した者の割合が高まっていることを示している。しかし、2012年の第46回総選挙を機に、近年は衆院選でも参院選でも若い世代で自民党に投票した者の割合が高まっているのが分かる。逆に言うと、それまでの国政選挙においては、若年世代のうち自民党へ投票する者の割合は他世代に比べて低かったのだ。例えば、2005年に実施された第44回総選挙はいわゆる郵政解散であり、この時は若者の多くが小泉支持に回り自民党勝利の原動力となったと報道されたが、実際には壮年世代と高齢世代の投票割合の方が高かった。さらに、2007年に実施された第21回通常選挙は消えた年金問題等で自民党に大きな逆風が吹いており、その後、安倍・福田と相次いで政権を放り出したうえにリーマンショックが重なった2009年の政権選択選挙はもちろんのこと、翌年実施された第22回通常選挙でも若者の自民党への投票割合は低かった。

 つまり、若者のうち自民党へ投票する者はやはり2012年を転換点として増加に転じたことが分かる。

(出所)公益財団法人明るい選挙推進境界資料、朝日新聞資料により筆者作成4
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進む若者の政党離れ

 政権再交代以降、若者世代で自民党に投票する者の割合が高まっているのならば、同時に若者世代の自民党支持も増えていると言えるのだろうか。

 図2を見ると、各世代のうち自民党を支持する者の割合は、若い世代ほど低く、年齢が上がるほどに高くなっていくことが分かる。つまり、若者世代では、自民党を支持する者の割合は実際に自民党に投票した者の割合より少ない。

 しかし、特に最近になるほど、若者世代の支持が上昇していることを指摘できる。

(出所)公益財団法人明るい選挙推進協会資料により筆者作成
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 ただし、図3からは、自民党、民進党、革新政党(民進党及び共産党及び社民党)の世代別の支持割合を見ると、政党を問わず、若者世代の支持割合は、全世代を平均した支持割合を下回っている。これは先述の通り、若い世代ほど、イデオロギー・フリーとなっている現状を反映した結果であり、若者の政党離れが進んでいることを如実に示す結果である。

(出所)公益財団法人明るい選挙推進協会資料により筆者作成 写真を拡大


1  なお、先般実施された第48回衆議院議員総選挙に関しては資料が未公開のため、昨年実施された第24回参議院議員通常選挙が最新のデータとなるものの、現在の状況と大きな変化は見当たらないものと考えている。

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