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2017年11月10日

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島澤 諭 (しまさわ・まなぶ)

中部圏社会経済研究所チームリーダー 

富山県生まれ。1994年東京大学経済学部卒業 同年4月経済企画庁入庁。調査局内国調査第一課、総合計画局計量班、調査局国際経済第一課等を経て2001年内閣府退官。02年秋田経済法科大学経済学部専任講師、04年10月秋田大学教育文化学部准教授。12年4月より現職。

自民党への投票は雇用の改善が大きい

 上で見たように、またこれまでも繰り返し指摘してきた通り、若い世代ほどイデオロギー・フリーな無党派層であり、その多くは、時々の政権与党に対して、業績評価・経済投票を行うものと考えられる。現役世代や社会に出たばかりの新米世代にとっての一番の関心事は、雇用と所得であろう。安定した生活を送るためには、雇用と所得が保障されている必要があるからである。

 そこで、図6、図7で雇用関連指標の最近の推移を見てみると、失業率は趨勢的に低下を続け、有効求人倍率も上昇している。特に、パートを除く有効求人倍率は2014年12月に、正社員有効求人倍率も2017年6月には1を超えてさらに上昇を続けている。内定率も高卒大卒ともに上昇を続けているし、初任給も増加を続けている。こうした雇用関連指標の改善は実質的に第2安倍政権発足後勢いを増している。であるとすれば、若者世代にとっては、政権与党の業績は抜群に素晴らしく、モリカケのような「スキャンダル」があったとしても、アベノミクスに代わる建設的かつ説得的な経済政策を提示できない、批判ばかりの野党に敢えて乗り換える誘因は存在しないと言えよう。

(出所)総務省統計局「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」により筆者作成
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(出所)文部科学省資料、厚生労働資料より筆者作成
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現在の生活、政治状況に満足している層は
自民党に投票する

 次に、表3により生活満足度と投票政党との関係を見ると、生活に満足している者は平均よりも自民党や与党に投票する者の割合が高く、生活に不満な者は平均より革新政党に投票する者の割合が高いことが分かる。つまり、自民党や政権与党の政策のパフォーマンスが良く有権者の生活満足度が高まると自民党や政権与党への投票割合が高まることとなる。

(出所)公益財団法人明るい選挙推進協会資料により筆者作成
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