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2017年11月16日

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ビクトリア・ギル科学担当記者BBCニュース

米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所はこのほど、氷床や氷河のそれぞれの部分が解けた場合にどの都市が影響を受けるかを示す予測ツールを開発した。

地球の自転と重力の影響を考慮し、水がどのように地球上に「再配分」されるか予測することで分かるという。

研究者たちは、「この予測により各都市にとって、どの氷河、氷床、氷冠が特定の重要性を持つかが分かる」と語った。

米カリフォルニア州にある同研究所による今回の取り組みは、米科学誌「サイエンス・アドバンス」に掲載された。

上級科学者エリック・アイビンズ博士は「都市や国が洪水を緩和しようとすると、100年先を考えなくてはならず、保険会社がそうであるようにリスクを評価したいと考えている」と話した。

予測ツールによって、世界の各都市がどの氷床を「最も懸念すれば」よいかが判明した。

ロンドンでは、グリーンランド氷床北西部分の変化に著しく影響を受けることを示している。

ニューヨークでは、懸念すべきはグリーンランド氷床の北側全体と東側だという。

エリック・ラルール博士は3つの主要な要因が世界中の海面変化のパターンを示す「海面の指紋」に影響を与えたと指摘した。

1つ目は重力だ。

ラルール博士は「このような氷床は巨大な塊で、海に引力がかかる」と話した。

「氷が縮小すると、引力も小さくなり、海がその塊から離れていく」

この氷の「引く力と押す力の影響」のほかに、解けた氷床の下にあり、氷の圧倒的な重みで圧縮されていた地面が垂直に広がる要因がある。

揺れる地球

最後の要因は、地球の自転自体が関わっている。

ラルール博士は、「地球をこまだと考えてほしい」と話した。

「地球が回ると揺れて、表面の重さが変わると、その揺れも変わる。すると今度は、それが地球の水を再配分する」

科学者らはそれぞれの要因を計算に入れることで、都市ごとの予測ツールを作ることができた。

ラルール氏はBBCニュースに対し、「海面上昇をめぐって特定の町の世界のあらゆる氷河に対する、正確な感度を計算できる」と話した。

「それで自分の都市にとって、どの氷河や氷床、そして氷床が特定の重要性を持つかが分かる」

同チームの別の科学者、スレンドラ・アドヒカル博士は、「このような巨大で、複雑でグローバルなプロセスが自分たちにどう影響するか、みんなぜひ理解したいと考えている」

「このツールで、自分たちの都市への影響を見ることができる」

(英語記事 Nasa forecast: Which cities will flood as ice melts?

提供元:http://www.bbc.com/japanese/42008802

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