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2017年11月17日

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シェリー・ライダー、ナダ・ラシュワン、ベリ・サジワリBBC UGC・ソーシャルニュース、BBCモニタリング

2017年ミス・ユニバース世界大会の出場者がラスベガスに集まるなか、多くの人が一緒に写真に納まる様子を見るのは驚きではない。

とは言っても、ミス・イラクのサラ・イーダンさんが、同じコンテスト出場者でミス・イスラエルのアダル・ガンデルスマンさんと一緒に撮った自撮り写真を投稿した時、ソーシャルメディアでこれほどの賛否両論の反応があるとは、思いもしなかっただろう。

ガンデルスマンさんも、イーダンさんのことを「素晴らしい」とコメントして同じような写真を自身のインスタグラム・アカウントに投稿した。この投稿は、3000近い「いいね」を集めた。

ガンデルスマンさんのフェイスブック・ページには、他の出場者が写った写真が多く投稿されているが、イーダンさんとのこの1枚は人の心に触れると同時に神経にも触れている。

イラクで育ち、音楽を学ぶために米国に渡ったイーダンさんは、45年ぶりに国を代表してミス・ユニバースに出場するイラク人女性に自分がなれることがいかに光栄かとフェイスブックに書いた。

イスラエルとイラク間には国交がないことを考えると、2人が一緒に写った写真が「みんなの趣向に合っているわけじゃない」と、ユーチューバーのサブリナ・ベノーイさんなど一部の人が指摘した。

イスラエルの行為を非難するアラブ人社会では、怒りを表明する人もいた。

米国に拠点を置く大学教授のアサード・アブカリル氏は、「イラクの美人コンテスト優勝者は、占領と残忍さの美人コンテスト優勝者と満足そうにポーズを取っている」とツイートした。

しかしイラクの活動家@Alaaさんは、次のようにツイートした。「イスラエル人がアラブ人やムスリムと一緒に写真に写っているからと言って、人道問題や和平問題への(イスラエル外相の)残念な政策に対する合意を反映しているわけではない」。

こうした批判に対して、イーダンさんはインスタグラムに声明を発表。写真撮影会でミス・イスラエルがイーダンさんのところにやってきて、お互いの国の人々に和平が訪れるよう望むと述べたと語った。

「一緒に写真を撮らないかと聞かれたので、メッセージを広めるのに喜んで力を貸すと答えた。この写真の狙いは、世界平和への願いを表現することだ」

イーダンさんは、この写真がイスラエルへの支援を意味するものではないと加えた。

「この写真が、パレスチナ人に対する屈辱だと思った全ての人に謝罪したい。なぜなら投稿はそれが目的ではなく、単に和平の呼びかけと、この危機の解決に向けた希望だったから」

しかしイスラエルでは、首相府の報道官オフィル・ゲンデルマン氏はこの写真を、「この地域への希望を伝える偉大なメッセージ」と呼んで称賛した。

<オフィル・ゲンデルマン氏は、「ミス・イラクのサラ・イーダンさんとミス・イスラエルのアダル・ガンデルスマンさん(私の親類ではありません……)がミス・ユニバース美人コンテストで出会い、友達になった。そしてミス・イラクがこの写真を自身のインスタグラムに投稿した。この地域への希望を伝える、なんて偉大なメッセージだ。サラとアダル、2人とも頑張って」とツイートした>

ツイッター上では、「アーモンド」さん「和平は人から始まる」と書いてさらに称賛した。

<アーモンドさんは「和平は人から始まる! 2017ミス・ユニバースのイスラエル代表のアダル・ガンデルスマンさんとイラク代表のサラ・アブダリ・イーダンさん。2015年に(イスラエルとレバノン間で)あったことと同じシナリオがまた起こる。いずれにせよ、この写真を撮ったあなたたちの勇気をとても誇りに思う」とツイートした>

イスラエルのニュース・サイト「Yネット」は、「心を寄せ」ようとしたガンデルスマンさんを称賛した。

イスラエル紙「ザ・タイムズ・オブ・イスラエル」はこの投稿を「分断された中東で発せられた、共存を示す珍しいもの」と表現。シュルギム・ニュースは、ミス・イラクの王冠は剥奪されるのだろうかと疑問を投げかけている。

<英語記事 Miss Iraq and Miss Israel selfie strikes a nerve

提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-42023670

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