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2017年11月20日

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ジョナサン・マーカス 防衛・外交担当編集委員

北朝鮮の動向を分析しているウェブサイト「38ノース」が16日、新たな衛星写真を公開し、北朝鮮が「弾道ミサイル搭載可能な初の実戦用潜水艦の建造と配備を、積極的なスケジュールで進めている」と分析結果を明らかにした。

衛星写真は、北朝鮮が陸上からの大陸間弾道ミサイルだけでなく、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発をここ数年、進めてきたことを強くうかがわせている。

北朝鮮はすでに、試作品の潜水艦と水中発射試験台を保有し、これまでもそれを発射実験に使用してきた。しかし今回新たに公開された衛星写真は、北朝鮮東部沿岸にある新浦(シンポ)造船所で、造船施設の拡張が大々的に進められている様子を表している。また、ミサイル搭載可能な潜水艦をもう一つ建造しているかもしれない様子がうかがえる。

衛星写真には、潜水艦の耐圧殻の一部かもしれない2つの大きな円形の物体が写っている。その推定サイズから、既存の新浦級潜水艦の後継艦用のものかもしれないとうかがえる。

これまでも今年に入って以降、新浦造船所の巨大建設ホールに隣接するヤードで部品や資材の行き来が続く様子が、衛星写真から見て取れた。重機を支える構台や橋形クレーンも定期的に移動していた。38ノースによると、いずれも「長期的な造船計画の進行」をうかがわせるものだという。

潜水艦の船体からミサイルを発射する動きを再現するために使用されるとみられるミサイル実験用の発射台でも、作業が進められている。

衛星写真のみで、北朝鮮のSLBM開発計画がどれほど進行しているか判断するのは難しい。しかし軍縮問題に詳しい英シンクタンク国際戦略研究所(IISS)のマーク・フィッツパトリック氏はBBCの取材に対し、北朝鮮がSLBMを配備すれば、核攻撃態勢の破壊を狙う先制攻撃に直面した際、反撃のための第2撃能力を手にすることになると説明した。

またフィッツパトリック氏は「ミサイル開発の速度という点では、北朝鮮はこれまで専門家を何度も驚かせ、その予想を超えてきた」と加えた。

海中の潜水艦からのミサイル発射には、きわめて特殊な課題が伴う。北朝鮮はの発射実験はこれまでのところ、潜水可能な試験艇を使ったものに留まっており、海上ミサイル計画の展開は実戦レベルに遠く及ばない。

しかしこの開発計画から、北朝鮮が戦略的に何を目指しているのかを測ることができる。北朝鮮は核兵器を当面手放すつもりはないと、あらためて示すものだ。

(英語記事 Images show North Korea's 'submarine ballistic missile programme'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/42048236

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