BBC News

2017年11月21日

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ドナルド・トランプ米大統領は20日、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると発表した。米政府はブッシュ政権下の2008年に指定を解除していた。

ホワイトハウスで閣議を開いた大統領は、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定することで、「とても大規模」な追加制裁が可能になると説明。追加制裁の内容は21日に発表すると述べた。

トランプ氏は「もっと早くこうするべきだった」と述べ、北朝鮮が核ミサイル開発を進め、「国際テロ行為」を支援していると批判し、再指定の理由に挙げた。

米政府は、国際テロ行為を繰り返し支援しているとして、イラン、スーダン、シリアなどを「テロ支援国家」に指定している。北朝鮮は大韓航空機爆発事件を受けて1988年に指定されたが、核開発凍結交渉の一環として2008年に当時のブッシュ政権が指定を解除した。再指定を求める動きは、北朝鮮に逮捕された米大学生オットー・ワームビア氏が今年6月に解放後死亡して以降、勢いを増していた。ワームビア氏の両親は9月、息子が拷問されていたとマスコミに語っている

この一方でレックス・ティラーソン国務長官はこの後、「実際的な効果は限定的かもしれない」と認めた。

ホワイトハウスで記者会見したティラーソン長官は、再指定の目的は「国外での暗殺を含む」最近の行為や、「禁止されている化学兵器の使用」について北朝鮮の責任を問うことだと説明。すでに多くの制裁が科せられている現状では、追加指定の意味合いは「非常に象徴的」なものだと認めた上で、追加制裁によって「一部の第三者が北朝鮮と何らかの行動を共にすることを妨害、ないしはためらわせる」効果があるかもしれないと話した。

「実際的な効果は限定的かもしれないが、これによって抜け穴をいくつかふさぐことになると期待している」と同長官は述べた。

北朝鮮による相次ぐミサイル発射実験や6回目の核実験を受けて、米政府は今年9月、石油禁輸や金正恩氏の資産凍結を含む国連追加制裁を提案。国連安全保障理事会は、石油禁輸や資産凍結は見送ったものの、石炭や鉛、海産物、繊維製品を輸出禁止に指定する制裁決議を可決した。

一方の北朝鮮は、核・ミサイル開発を推進し、米国本土を射程圏内に収める長距離ミサイル獲得を公然の目的にしている。水素爆弾を開発したという主張も重ねている。

ジェイムズ・マティス米国防長官は10月末、訪問先の韓国・ソウルで、北朝鮮による核攻撃の脅威は増していると警告した。


<解説> 「象徴的」なトランプ政権の動き――バーバラ・プレット・アッシャー米国務省担当特派員、BBCニュース

トランプ大統領の決定によって、北朝鮮は再び米国の独裁国家ブラックリストに名を連ねることになった。

米政府は北朝鮮を外交的に、そして経済的に孤立させようとしている。今回の動きもその方針の一環だ。テロ支援国家に再指定したことで、米国による追加制裁が可能になる。ただし、北朝鮮は国際社会からすでに重い制裁を受けているだけに、専門家の多くは今回の措置を、中身のあるものというよりは象徴的なものと位置付けている。

この再指定によってむしろ、北朝鮮の核開発をやめさせるのが難しくなったという専門家もいるが、その可能性はそもそもほとんどなかった。北朝鮮はこれまでも何がどうなろうと核開発は断行する姿勢を貫いてきたのだから。


(英語記事 Trump declares North Korea 'sponsor of terror'

提供元:http://www.bbc.com/japanese/42061282

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