世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年11月27日

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 インドが経済的、軍事的に世界の主要なプレイヤーになりつつあることは間違いありません。眠れる獅子がようやく目を覚ましつつあるという感じです。

 13億の国民を民主主義で統治しているのは驚きです。一つの壮大な実験でインドはそれに成功しつつあるといえます。

 米国にとってインドが重要であるのは、まず民主主義の国であることが挙げられますが、インドがアジア・太平洋・インド洋の安定と発展に欠かせない国だからです。特に中国の進出を考えれば、インドの重要性がよく理解できます。

 しかし、インドと付き合うのは常に容易とは限りません。それはインドが非同盟の伝統に基づく独立を重要視しているからです。

 中国の台頭、特にインド洋への進出を強く意識して、米国との防衛協力を強化していますが、同時に伝統的な友好国であるロシアとの関係も密接で、イランとも協力関係にあります。

 米国はインドと付き合うに際し、この側面をよく理解する必要があります。

 トランプがこのような複雑な側面を踏まえてインドとの関係を推進できるかが問われます。

 インドは国際機関でその地位にふさわしい役割を果たし得ないでおり、米国はこの面でインドを支援すべきであるというのはその通りでしょう。国連安保理常任理事国入りは容易ではありませんが、米国は引き続き努力すべきです。

 論文はインドのOECD入りを米国が支援すべきであると言っていますが、OECDは先進経済国をメンバーとしており、現時点でのインドにその資格があるかの問題があります。

 インドは日本にとっても重要な国です。日本は極東軍事裁判でインドのパール判事が、被告全員の無罪を主張して以来、インドに好意を持ってきましたが、最近では中国の台頭に対処するためもあり、安全保障の面でインドとの関係強化に心がけています。

 インドが経済的、軍事的に台頭し、外交面でも積極的な活動に乗り出している今、日本もインドと二国間のみならず、例えば日米豪印といった多国間の協力強化にも努めるべきです。

  
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