世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年11月29日

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 米ブルッキングス・ドーハ・センターのアラルディン客員研究員が、Foreign Affairs誌ウェブサイトのSnapshot欄に10月20日付けで掲載された論評で、イラクにおけるクルドと中央のシーア派政権との関係について論じています。要旨は次の通りです。

(iStock.com/CatEyePerspective/Romanista/chelovek)

 10月16日のイラク中央政府によるキルクークのクルドからの奪還は、クルド独立に関する住民投票の結果を踏まえて、中央政府(及びアバディ政権)としての権威を維持、誇示するための政治的な動きだ。

 今回の行動に正規軍のみでなくシーア派民兵(PMF)が参加したことは、イラン及びイランに支援されるシーア派系勢力の地位を強化し、来春の国政選挙におけるアバディ首相の再選のチャンスを含め、今後のシーア派内の勢力争いに複雑な影響を与えよう。

 クルド自治政府(KRG)はこれまでイラク国内政治の分裂傾向をうまく利用して政治的、経済的利益を確保してきたが、地域のクルド諸勢力の複雑な関係から今後も一定の影響力を行使できる立場にある。

 今回の行動により、キルクークは取り敢えず中央政府の支配下に置かれることになったが、イラクの統一維持を阻害する基本的問題は解決していない。クルド自治政府のイラクの国内政治における役割も引き続き重要である。

出典:Ranj Alaaldin,‘The Clash Over Kirkuk’(Foreign Affairs, October 20, 2017)
https://www.foreignaffairs.com/articles/middle-east/2017-10-20/clash-over-kirkuk

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