ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2017年12月1日

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佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

飲酒による健康被害の「原因」には2種類がある

 毎年やってくる忘年会シーズン。ちょうど1年前のこのコラムで「ビジネスパーソンのためのお酒の飲み方」を紹介した【※1】。今回は「飲酒習慣」と「健康」の関係をみてみよう。

(iStock/TAGSTOCK1)

 大人ならみんな知っていることだが、飲酒をすると顔が赤くなる人とならない人がある。いわゆる「酒に強い人」と「弱い人」だ。酒の主成分はアルコール(エチルアルコール)だが、体内に入ったアルコールが飲んだ人の顔を赤くする作用は、それほど強くはない。

 アルコールは(主として胃から)吸収されると、門脈という特別な血管を通って肝臓へと運ばれる。肝臓に運ばれたアルコールは(主として)アルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドという物質に分解される。アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素によって(いったん酢酸に分解されたあと)最終的には水と炭酸ガスに分解されて体外へと排出される。

 この中で最終的に生ずる水と炭酸ガスは(中間的に生ずる酢酸も)人体に悪さをしない。問題はアルコールとアセトアルデヒドの2つだ。とりわけ、アルコールが分解して生ずるアセトアルデヒドは、頭痛や悪心・嘔吐や二日酔いなどの原因となる。

 アルコールも厄介だ。先ほど「アルコールは肝臓で分解される」と書いたが、基本的には、人体にとって好ましくない成分なので分解をするのだが、大量に入ってくると分解能力が追いつかず、肝臓を通過して(心臓を介して)全身へと送られる。その一部が脳へと到達する。

 脳には、好ましくない成分をシャットアウトする機能があり、脳に必要な成分だけしかそこを通過できない。たとえれば、社長室に平社員や飛び込みの訪問販売などが平気で入ってこないようにしているシステムといえよう。しかし、なぜか、アルコールはこのシステムを容易に通過し、脳細胞へと達するようだ。脳細胞へと達したアルコールはいわゆる酩酊状態を引き起こす(もしかしたら、脳はコレを求めているのかも?)。多くの人が飲酒習慣に引きつけられるのは(そして最悪の場合はアルコール依存症に至ってしまうのは)このせいであろう。

【※1】「どんな酒でもたくさん飲めば悪さをする」http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8523

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