2024年4月17日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年12月5日

 トランプ政権はロシアのウクライナ侵略についての対ロ経済制裁をオバマ政権の時と同じく行っています。しかし、長い間、提案されてきたウクライナへの武器供与については、意味のある何らの行動を今のところ起こしていません。検討中ということで、停滞しています。

 この論説は、トランプにウクライナへの武器供与を行う決定をすべきであると勧奨したものです。良い提言です。

 プーチンがミンスク合意を守っているとは言えない現状を続けていると、既成事実が積み重なり、事態が膠着状態になるでしょう。国際法違反行為をしたロシアが大きな成果を収める結果となります。そういうことを許すことは国際法秩序を弱めます。

 トランプがこの提言に耳を傾ける可能性については、あまり大きくないでしょう。米国にとってさほど難しい決定であるとは思えませんが、トランプには国際法秩序を守る必要性についての認識はあまりなく、自国中心主義で、対外介入には明確な利益がなければ乗り出さないということであるように思われます。

 マティス国防長官やマクマスター国家安全保障補佐官はロウギンと同じ考えだろうと推測されますが、トランプは対ロ政策については、プーチンとの関係を重視する傾向は今なおあるように思われます。困ったことではあります。

  
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