赤坂英一の野球丸

2017年12月6日

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 そして、角界でこの張り差しに最も批判的で、「卑怯で汚い勝ち方」としている親方が、ほかならぬ貴乃花なのである。今年のNHKの大相撲中継の解説では、「白鵬は立ち合いでずらすんですよね」と、立ち合いでもタイミングを外すようになっていることを、暗に横綱らしくないと指摘していた。

自分の相撲こそが「横綱相撲」

 しかし、白鵬にとっては恐らく、張り差しも微妙な立ち合いも勝つために必要な手段であり、横綱の技のひとつなのだ。自分の相撲観は絶対で、自分の相撲こそが「横綱相撲」という信念がある。審判への抗議、優勝インタビューでの発言、さらに万歳三唱のパフォーマンスと、すべては「白鵬だけの相撲観」が源になっているように思う。横審や理事長からいくら注意されても、何が悪いんだ、というのが白鵬の本音に違いない。

 一方、貴乃花親方の腹の底には、そうした白鵬をはじめとするモンゴル人力士の「汚い取り口」が横行している現状への反発があると思う。対する白鵬も「貴乃花親方の下では巡業に参加できない」と猛反発。かつて「尊敬している」と話していた元大横綱との亀裂は深まる一方だ。

 貴乃花と白鵬の相撲観、どちらが正しいかを断じる資格は私ない。ただ、どちらがより多くの日本人の支持を得られるかは言うまでもなかろう。

  

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