WEDGE REPORT

2017年12月5日

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 偽証を知っていて、捜査に手心を加えるよう要求したとなれば、「司法妨害が成立する。大統領はアウトだ」(米識者)ということになり、大統領弾劾に通じる犯罪が構成されることになる。クリントン氏がセックス・スキャンダルで弾劾を受けたのも捜査にうそを付いたという司法妨害容疑だった。

 米メディアなどによると、今回も「昨年の大統領選でロシアと共謀した」という本筋の容疑よりも、司法妨害の方が立証しやすいとの見方が有力になっており、大統領がフリン氏の虚偽の供述をいつ、どうやって知ったのかが捜査進展のカギだ。それだけ、フリン氏の捜査への協力が重要になる。

指示した高官は誰か

 フリン氏はトランプ政権が正式に発足する前の昨年の12月29日、ロシアのキスリャク駐米大使と電話で会談した他、イスラエルの入植地建設を批判する国連安保理決議に反対するよう何カ国かの当局者と接触していたが、こうした動きは「政権移行チームの幹部からの指示だった」(フリン氏声明)。

 ホワイトハウスはフリン氏の行動は“独走”だったとして、大統領ら高官と切り離すのに必死だが、指示した高官に大統領の娘婿のクシュナー上級顧問が含まれていることは判明している。高官は複数とされているが、フリン氏よりも地位の上の高官は極めて限られていた。

 しかし、最大の焦点はトランプ氏自身、ロシアなどとの接触をフリン氏に直接、間接的に指示してはいなかったか、指示をしないまでも、指示されたことを知っていたのではないか、という点だ。

 米メディアによると、フリン氏がロシア大使と接触した際、政権末期のオバマ大統領によるロシア制裁問題についても協議し、オバマ政権の制裁措置に報復しないよう要請していた。ロシア大使はフリン氏に対し、ロシアが報復しない決定を下したと通告したが、その通告通り、プーチン大統領が報復措置を取らないことを発表。その理由についてさまざまな憶測が飛び交った。

 フリン氏はトランプ政権が正式発足したあかつきには、ロシア制裁を解除する旨をロシア大使に伝えていた可能性がある。対ロ関係改善に意欲を示していたトランプ氏の意向が反映されたと見るのが自然で、ロシアに対する融和姿勢は大統領選挙でクリントン氏を追い落とすためにロシアから協力を受けたことの見返りだった、という説も真実味を帯びてきた。

【訂正】12月6日

「フリン氏よりも地位の上の高官は極めて限られていた。取り沙汰されているのは、クシュナー氏や、次期シンガポール大使に指名されているマナフォート元顧問らだ。」とありましたが、時期シンガポール大使は「マクファーランド氏」でした。訂正してお詫び申し上げます。

  

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