World Energy Watch

2017年12月6日

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赤字が続くテスラの資金繰りは?

 テスラは2003年の創業以来、四半期決算では黒字化したことがあるが、年次決算では赤字が続いている。累積損失額は43億ドルだ。赤字の損失の穴埋めと増産のための設備投資の資金は、増資と社債の発行を主体に賄ってきている。2017年9月期のキャッシュフロー表を見ると、外部からの資金調達で資金繰りを行っている様子がよく分かる。

 2017年1月から9月までの営業によるキャッシュフローは5億7100万ドルのマイナス、投資に使った資金は34億6000万ドル。これらの資金は主として増資、社債発行などによる42億9000万ドルで賄われている。結果、9月末時点では35億ドルの現金を保有しているが、9月末の流動比率(流動資産を流動負債で割ったもの。1年以内の負債を返済可能か判定する比率)は109%しかなく、棚卸資産を除く流動資産を流動負債で割った当座比率は71%しかない。資金の状態は良いとは言えない。

 しかし、この外部からの資金調達も段々限度に近づきつつある。増資と転換社債の発行により発行株式数は増加しており、時価総額は一時GMを上回るほどになった。2010年6月にテスラがナスダック市場に上場した際の発行株式数は、1330万株、時価総額2億2600万ドルだった。いま、株式数1億6800万株、時価総額515億ドルになった。一度も年間で収益を上げたことがない会社への期待が先行している形だが、それにしても、市場の株式希釈化の受け入れには限度があるだろう。

テスラの将来は不透明

 テスラは最近社債により資金を調達しているが、9月末現在の負債額は99億9000万ドルに達している。2018年、2019年に償還が必要な転換社債、社債とローン返済額は、それぞれ約5億ドル、15億ドルになる。今年発行した社債がジャンクボンドと格付けされたように、外部からの資金調達は厳しさを増している。

 EVトラックとロードスターの予約金により3、4億ドルの収入は見込めるが、金利支払いだけで、年間4億ドル以上が必要だ。モデル3の生産を早急に軌道に乗せ、黒字体質を築かないとテスラの先行きはますます不透明になりそうだ。
 

  

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