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2017年12月5日

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米連邦最高裁判所は4日、ドナルド・トランプ大統領が今年9月に出したイスラム圏や北朝鮮など8カ国の国民の入国を禁じる大統領令について、全面的な執行を認める判断を下した。

トランプ大統領就任以来3回目となる9月の入国禁止令をめぐっては、ベネズエラ、北朝鮮を除くイラン、リビア、ソマリア、シリア、イエメン、チャドの6カ国に対する入国禁止が「イスラム禁止令」にあたるとして訴訟が提起されており、最高裁は訴訟継続中の禁止令の執行を認めた形となった。

最高裁の判事9人のうち7人が禁止令の執行を差し止めた下級審命令を無効とした一方、ルース・ベイダー・ギンズバーグ、ソニア・ソトマイヤー両判事は反対した。

カリフォルニア州サンフランシスコ、バージニア州リッチモンドにある各連邦控訴裁判所は今週、入国禁止令をめぐる訴訟を審理する予定。

最高裁は、控訴栽が「適切な早さで」結審するのを期待すると述べた。訴訟は最終的に最高裁で争われる可能性が高い。

法律専門家らは、今回の判断がトランプ政権が最高裁で勝訴する可能性を示唆していると指摘した。

カリフォルニア大学ヘイスティングス法科大学院のデイビッド・レビーン教授はAP通信に対し、「彼ら(最高裁判事)の判断からは、我々が考えていたよりも政府が勝訴する可能性が高いことが示唆されている」と語った。

各方面の反応

ホワイトハウスのホーガン・ギドリー報道官は、最高裁の判断に政権は「驚いていない」と述べた。

ジェフ・セッションズ司法長官は、最高裁の判断は「米国民の安全と安心における大きな勝利だ」と語った。

一方で、アメリカ自由人権協会(ACLU)はトランプ大統領が先週、英国の極右団体が投稿した動画をリツイートしたことは、同大統領のイスラム教に対する偏見を表していると指摘した。

ACLUのオーマー・ジャドワット弁護士は、「トランプ大統領が反ムスリム(イスラム教徒)の偏見を持っているのは明白だ。何度も自分で認めているし、先週もツイッターで認めたばかりだ」と述べた。

「禁止令が今は完全に執行されるのは残念だが、我々の主張の正否に判断が下ったわけではない」

トランプ政権による入国禁止令の経緯

これまでの入国禁止令は裁判所によって一定のブレーキがかけられてきた。過去3回の禁止令の経緯を振り返る。

  • トランプ大統領は今年1月、イスラム教徒が多数を占める7カ国の国民の入国を90日間禁止し難民受け入れを全面的に一時停止する大統領令に署名した。シリア難民については無期限で受け入れ停止としていた。これを受けて各地で抗議デモが起こり、執行差し止めを求める複数の訴訟が起きた。
  • 変更を加えた禁止令が3月に再び出され、イラク国民がリストから外されたほか、シリア難民への無期限禁止が取り下げられた。二重国籍者や永住権(グリーンカード)保持者も対象から外された。6月には最高裁が120日間の難民受け入れ全面停止を含め、禁止令のほぼすべてについて執行を認めた。ただし、米国の機関や人と「真正」の関係がある人物については幅広く適用除外するとした。
  • トランプ氏による3回目の入国禁止令は今年9月下旬に出された。イスラム圏でない北朝鮮とベネズエラが加えられたが、この部分に関しては下級審でも執行が認められた。

下級審での判断はどのようなものだったか

トランプ大統領は、入国禁止令が国家安全保障にとって不可欠だと主張し、パリやロンドン、ブリュッセル、ベルリンで起きた攻撃事件がその証拠だと述べた。

しかし、連邦裁判所判事らは執行差し止めを命令し、トランプ氏が大統領選で自らの政策を「ムスリム禁止令」だと語った事実や、「ムスリムが合衆国に入るのを全面的かつ完全に禁止する」と述べていたことを判断の根拠とした。

米国各地で行われた下級審では、トランプ氏の入国禁止令は信教の自由などをうたう合衆国憲法修正第1条に反していると判断された。

メリーランド州の連邦裁判事は今年10月、「トランプ大統領自身の言葉で繰り返しかつはっきりと語られたムスリム禁止令の『最初の』発表は、彼の目的がなにかを疑いの余地なく、力強くまた説得力を持って明らかにしていた」と述べた。

ハワイ州の連邦裁判事は、トランプ氏の政策が「単純な国籍に基づく差別」であり、「この国の建国の原理原則」に違反していると指摘した。

(英語記事 Trump travel ban: Supreme Court lets restrictions take full effect

提供元:http://www.bbc.com/japanese/42233272

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