ネット炎上のかけらを拾いに

2017年12月8日

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 なぜ止める人はいなかったのか。

「ひとり映画鑑賞」記事に批判殺到

 雑誌のコラムをそのままネットに転載して炎上したケースはこれまでにもある。また、雑誌に書くのと同じノリでネット上に記事を書くと炎上につながることは、これまでもこのコーナーで指摘してきた。

 お金を払い、その雑誌で書いてあることを読もうという意図を持っている人(多くはその雑誌のファン)を対象に記事を書くのと、ネット上に転がる無料の記事を気ままに読み漁る人を対象に記事を書くのは、まったく違う。前者と比べて後者は、「前提となる同じ価値観」を有していないし、その媒体への親しみも持っていない。つまり容赦がない。

(DigitalVision/Michael Blann)

 11月下旬に女性向けサイトで2件の炎上があった。

 1つは「GINGER web」に掲載された「映画をひとりで観ても悲しくならないテクとは?~独女時間の正しい過ごし方」(https://gingerweb.jp/lifestyle/slug-n3a57dacfcd01)。もう1つは、「DRESS」の「「夫=社長」と考えると結婚生活がうまくいく理由」(現在は削除済み)だった。

 どちらも雑誌のコラムのような文章だった。「映画をひとりで観ても…」は女性ライター、「「夫=社長」と考えると…」は結婚相談所の女性社長が書いた記事だが、どちらの書き手も、その媒体のファンや自分が想定する価値観の人だけに読んでほしいと思っていたのではないか。

 「映画をひとりで観ても…」の記事は、ひとりで映画を観に行くなんて、さみしくてちょっとみじめ、という前提の元に書かれている。だから記事の中では、“ひとり映画鑑賞”のコツとして、「(周囲にひとりとバレないために)予告編の【途中】から駆け込むこと」「(周囲の視線をシャットアウトするために)【3D眼鏡】をお守りにすること」「(館内が明るくなった後に始まる周囲のおしゃべりに孤独を感じないように)映画エンドロールの途中で立ち去ること」が推奨されている。

 予告編やエンドロール途中の移動がマナー違反ではないかという指摘が多かったが、そもそも、「ひとり映画鑑賞」とは最近の女性にとってそんなにハードルが高いものなのかと違和感を覚えた人が少なくないようだ。

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