ネット炎上のかけらを拾いに

2017年12月8日

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 女子SPA!は「「女1人で映画館=哀しい」って記事がプチ炎上。で、女1人でしてることを調べてみた」(12月2日)(https://joshi-spa.jp/792117)の中で、20代後半~30代の女性200人にアンケートを採り、一人で映画を観に行った経験があるかを聞いている。結果は42.5%がアリ。さらに、「ひとり映画」に抵抗があると答えた女性は12%しかいなかったことも報告されている。

 GINGERのターゲット層は、その12%という目論見での記事だったのかもしれない。しかし残念なことに、ネット上では12%の女性以外にも記事を発見されてしまう。

 とはいえ実際は、ライター本人も「ひとり映画」がそこまでハードルが高いと思っているわけではなく、ネタがなかった、もしくはお題を与えられたから無理矢理にその解決策を作って書いた、というところではないだろうか。ツイッター上では「最初から炎上狙いだったのでは」とも指摘されている。

炎上狙いでないことがすごい「夫=社長」記事

 そこへいくと、「夫=社長」と考えると結婚生活がうまくいく理由」の記事は削除されているだけに、狙った炎上ではなさそうだ。

 「■結婚とは(株)◯◯家に入社すること」という見出しの中では、

 「社長はもちろん夫です。夫のご両親=専務、兄弟姉妹=部長、叔父叔母=課長、従兄弟クラスは係長、友達は主任、そして自分は……新入社員。この立ち位置を頭に叩き込んでしまえば、自分が株式会社〇〇家において、どう振る舞えばいいかが、会社での行動パターンと同じように明確になってきます。」

 と語られる。今どき、相当保守的な考え方の人でも建前では「男女平等」を言うものだと思っていたが、筆者はどこかで時空を超えたのかもしれない。夫=社長、自分=新入社員の位置付けが堂々と語られるのも唖然とするが、周囲の人間関係をこのように序列で考え、それをまったく悪びれない感性をネット上で堂々と提示してくるのはただただ「すごい」。

 家庭における男女の役割といったテーマは、今ネット上で一番燃えやすい。そのことを知っていたら、こんな無邪気な記事を書き、こんな無防備なタイトルをつけることはできない。むしろ炎上狙いでないことが「すごい」。

 記事内には「1回目のテーマは「結婚生活が上手くいく意識改革」」という文章もあるため、どうやらこの書き手の連載の1回目だったようだ。怖いもの見たさでぜひ次回も読んでみたい。

 ネットの記事は雑誌に比べて字数の制限がないと言われる。だから「自由に書ける」と思われがちだが、実際はそうではないことは、ネットユーザーならよくわかるのではないだろうか。炎上を避けるのであれば、題材と言葉を慎重に選ぶ必要があるのがネット記事だ。炎上を知らなければ炎上を回避できない。ネット記事を普段読まない人が書き手となる場合、炎上の可能性がその分高いことは間違いない。

  
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